2022.06.07
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家づくりの工法の種類と特徴|木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造のメリット・デメリット

木造軸組工法、ツーバイフォー工法など、家づくりにはさまざまな工法があります。家の性能やデザインを左右するのはもちろん、建築会社ごとに工法が決まっているので、依頼先を選ぶ前から考えておきたいものです。ここでは、それぞれの工法の特徴を解説します。

 

一戸建ての主な構造・工法

建物の構造は、主に「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3つに分けることができ、この構造をどのように組み立てるかによって、いくつかの「工法」に分けられます。

 

国内の一戸建て住宅のうち、圧倒的なシェアを占めるのが「木造」ですが、その中にも「木造軸組工法」、「2×4(ツーバイフォー)工法」、「プレハブ工法(木質系)」とさまざまな工法があります。それぞれの主な特徴を簡単にまとめると、以下のとおりです。

 

「木造軸組工法」:設計の自由度が高い、日本の伝統的な工法

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国内の一戸建てのほとんどを占める木造の中でも、最も多く採用されている「木造軸組工法」。在来工法とも呼ばれ、日本の伝統的な工法で、日本の気候風土によく合います。

 

木の柱と梁を、地面と垂直・水平方向に組み、斜めに筋交いを入れることによって補強する構造。現代では木材の接合に補強金物を使うことで強度をさらに高めています。

 

柱の位置を自由に設定できるため、間取りやデザインなど設計・プランニングの自由度が高いのが最大のメリット。窓を大きく設けることができ、採光・通風の条件もアップします。狭小敷地や変形敷地への適応力も高く、将来の増改築もしやすい工法です。

 

多くの建築会社が対応している一般的な工法なので、部材の調達もしやすく、プランによって建築コストを抑える工夫がしやすいのも大きな特徴です。

 

木の温もりを感じられる工法ですが、木材を結露やシロアリによる被害から守るため、定期点検がマスト。また、鉄骨造やRC造に比べると耐震性が低いと言われますが、現代の耐震基準に基づいて建てられていれば、十分な耐震性を発揮します。

 

「2×4(ツーバイフォー)工法」:北米生まれの、面で支える安定構造

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北米でのスタンダードな工法といえる「2×4(ツーバイフォー)工法」。断面が2インチ×4インチの角材で柱を組み、床・壁・天井にパネルを張って「面」で支える構造で「木造枠組壁工法」などとも呼ばれます。輸入住宅の建築会社が多く採用している工法です。

 

面で支えることにより、地震などによる揺れが1カ所に集中せず、建物全体に分散するので、構造の安定度が高いのが特徴。木材の隙間が少ない箱型の構造で、気密性・断熱性も高く、より柱が太い「2×6(ツーバイシックス)工法」になると、壁の厚みが増し、さらに断熱性能がアップします。

 

ただし、面で支えることにより、窓の位置や大きさへの制約が多く、新築時の間取りや将来のリフォームの自由度は高くないことも。

 

日本では対応できる建築会社が限られていますが、部材の寸法や建て方が規格化されていて、工場で生産される部分も多いため、職人の腕に左右されにくく、安定した品質の家を建てられるというメリットもあります。

 

「プレハブ工法」:安定した品質の家を短工期で

 

「プレハブ工法」とは、あらかじめ工場で生産された部材を現場で組み立てる工法のこと。木質系、鉄骨系、ユニット系、コンクリート系など、躯体(くたい)の素材によってさまざまな種類がありますが、共通して言えるのは、高品質・短工期ということです。

 

ほとんどの工程が工場で行われるため、部材の品質管理がしやすく、ばらつきが出にくいのが最大の特徴。たとえば木質系なら防腐・シロアリ防止の処理、鉄骨系なら鉄骨の溶接なども工場で行われ、厳しいチェックを通過して現場まで運ばれます。

 

こうして届いた床、壁、天井のパネルなどの部材を現場で組み立てていくので、職人の作業が大きく軽減され、それが短工期・高品質につながります。

 

ただし、箱型のユニットを現場で組み上げていくユニット系プレハブ工法の場合など、大きな部材を現場に運び込むのが難しいケースも。搬入経路が取れない狭い道路、クレーン車が入れない狭小地などでは、施工できないことがあります。

 

「鉄骨造」(軽量鉄骨造):大きな窓・大空間がつくりやすい

 

柱や梁を鉄骨でつくる「鉄骨造」。鉄骨の厚さが6mm未満の「軽量鉄骨造」と、6mm以上の「重量鉄骨造」がありますが、一般的な一戸建てには「軽量鉄骨造」が採用されるケースが多いため、ここでは「軽量鉄骨造」の特徴を解説します。

 

「軽量鉄骨造」は、柱や梁で骨組みをつくるという点では木造軸組工法と同様。そのうえ、木造よりも柱の数が少なくてすむため、窓などの開口部を大きくとったり、大空間をつくったりと設計の自由度が高い工法です。将来のリフォームに対応しやすいのも特徴です。

 

しかも、木造のようにシロアリによる被害の可能性が低いというメリットもあります。ただし、木造よりも頑丈な分、加工に手間がかかり、建築コストはやや割高になりがちです。

 

「RC造」(鉄筋コンクリート造):耐震性・耐火性に優れ耐用年数も長い

 

鉄筋でつくった骨組みに型枠をはめ、コンクリートを流し込んで柱や梁をつくる「RC造」(鉄筋コンクリート造)。引っ張る力に強い鉄筋、圧縮する力に強いコンクリートを組み合わせることで強度を生み出し、耐震性に優れた工法です。

 

さらに、火に強いコンクリートが鉄筋を覆って錆びから守るため、耐火性や耐久性にも優れています。隙間がないので気密性、遮音性も高いのが特徴。ただし、気密性の高さゆえ、結露が発生しやすい面もあり、設計時に対策が必要です。

 

耐用年数が高く、ビルなど中高層の建物にも採用される工法。一般的な一戸建てを建てるには工期が長く、コスト負担も大きくなります。

 

工法を選ぶときはどのスペックを優先するか考えて

どの工法にもメリット、デメリットがあります。耐震性、断熱性などのスペック比較はもちろん、希望する間取りやデザインが可能か、その土地で建築可能な工法なのか、工期やコストは条件に合うのかなども要チェック。家族の優先順位と照らし合わせて選びましょう。

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