2022.06.02
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「木の家」を選択する上で知っておきたい木材に関する基礎知識

木材は住まいには欠かせない素材です。また、環境問題への関心が高まっていることから、木造住宅への注目度も高まっています。そこで、この記事では、木と、住宅に用いられる木材について初めての方でも分かるように詳しく解説します。
 

木は再生可能で地球環境に優しい資源

言うまでもなく、住まいづくりにおいて木は重要な素材です。構造材としてはもちろんのこと、内装材や建具、下地材、家具などとして、中には外装材としても使用されるケースもあります。もちろん、構造体が鉄骨やコンクリートの建物であっても、多くの木材が使用されています。
 

木造軸組住宅の施工現場の様子


木が住まいにとって重要な素材であるのは、加工のしやすさのほかに、リラックス効果などがありますが、近年注目されているのが環境に対する優しさです。計画的に伐採、植樹を繰り返すことができる再生可能な資源であるからです。
 

木は自然素材であるため、鉄やコンクリートに比べ、住宅の素材として使われるまでにエネルギーの消費が少ないのも特徴。国産材や地域材を活用すれば輸送のためのエネルギーを減らすことができ、さらなる省エネ化も可能です。

国連サミットで採択された「SDGs(Sustainable Development Goals)」が世界的に重視されていますが、その中では環境問題も取り上げられており、そうした世界的な動向の影響からも、住まいづくりにおいて改めて「木の家」が注目されているのです。
 

品質が安定しにくいという側面も

さて、一方で木には住まいに利用する上での難しさもあります。それは鉄骨材などと比べて、品質や強度などが一定ではない、安定しにくい素材であるということです。それらは樹種や成長の度合い、生産地などによって大きく異なるのです。
 

要は、木材には扱いが難しいという側面があるわけで、それは自然素材だからでもあります。ただ、難点を解消するための技術的な工夫を施したものもあります。その代表例が「集成材」です。

その説明の前に、「無垢材」について説明しておきます。無垢材とは1本の木から切り出された木材のことを言います。加工がされていませんから、木目や節など自然の風合いを楽しむことができます。
 

樹齢を経た木材の中心部分から取り出された高級な無垢材


ただ、乾燥の度合いにより反りや割れが発生することもあります。よく「木材には調湿作用がある」と言われますが、反りや割れも木に含まれる水分が少なくなることで発生することなのです。ですので、無垢材には乾燥の工程を経ることが非常に重要になります。
 

木材の欠点を補う「集成材」

さて、集成材は乾燥処理された小型の板や角材などを、繊維方向をそろえて接着剤で貼り合わせた素材。無垢材とは異なり加工された木材であり、強度や寸法の安定性、耐久性などといった品質に優れた木材です。

このほか、無垢材と比べて比較的低価格であることも大きな特徴で、このためローコスト系のハウスメーカーを含め、幅広い住宅事業者の商品に使用されています。なお、構造用と造作用があり、住宅の構造体に使われるのは前者です。
 

集成材のイメージ。1本が複数の木材で構成されていることが分かる


なお、注意したいのが、だからといって集成材が無垢材より必ずしも優れているということではないこと。住まいづくりに集成材を利用するのにはちゃんとした理由がある、くらいの理解で良いと思われます。
 

「木の家」もデジタル化の時代

ところで、集成材以外にも木の家を進化させている技術がありますが、それは「プレカット」です。これは工場で設計図通りに、木材の長さや接合部分などの加工をすることを言います。

木の家というと、施工現場でノコギリやカンナなどを使い木を加工しているようなイメージがありますが、現在は設計図もデジタル化され、木材は1本ずつ工場の機械で加工されているのです。
 

複雑な加工が施されたプレカット材


木材は設計図通りに加工されているわけですから、施工現場ではそれを組み上げるだけというわけです。そんなわけで、現場でトンカチやっているというかつてのような光景は今ではあまり見られません。

工業化というと大手プレハブ系ハウスメーカーをイメージしますが、実は木の家を建てている住宅事業者(地域の工務店など)でもこのプレカット技術により工業化が進んでおり、そのため工期の短縮化や品質の向上が図られているというわけです。
 

ちなみに、プレカットを行うのは専門の事業者であり、住宅事業者は彼らに木材の供給を依頼するかたちを取っています。これにより、住宅事業者は独自に生産設備を持たずにすむわけで、このことが住宅価格の低減効果につながっているケースも見られます。

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