2022.06.16
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ハウスメーカー or 工務店 or 建築家 家を建てるならどっち?

家を建てる時の代表的な選択肢として挙げられる、ハウスメーカー、工務店、設計事務所(建築家)。どの会社をパートナーとして選ぶかは、家づくりにおいてとても重要な選択肢です。しかし、その選択基準が分からない方も、実は多いのではないでしょうか。
 

家づくり成功の鍵は、それぞれの特性や得意範囲を理解したうえで、自身が希望する分野に強い会社を選び取れるかどうかにあると言っても過言ではありません。
 

本記事では、「無数にある会社の中から、どうすれば自分にとって最良の業者に出会えるのか分からない」という方に、各社の特性と自分にあった会社の判断軸についてお話しします。
 

注文住宅は設計+施工

注文住宅の建築は、設計→施工の順で行われます。

「設計」とは、文字通り家の設計を行うこと。業務内容は会社によっても違いますが、注文住宅の場合は主に現地調査、ヒアリング&プランニング、設計図面の制作、工事後の設計監理などを担当します。
 

「施工」は実際の建築工事がメインですが、職人や素材の手配、スケジュールなどの工程管理、品質・コスト・安全管理なども行います。

ハウスメーカー、工務店、設計事務所(建築家)の主な担当範囲としては、以下の図をご覧ください。
 

ハウスメーカー・工務店・建築家(設計事務所)の設計・施工対応表

ハウスメーカーはほとんどの会社が設計・施工のすべてを自社(あるいは提携している企業)で手がけますが、工務店の場合はまちまち。

設計・施工の両方を手がける会社もあれば、施工だけを担当する会社もあります。
 

設計事務所(建築家)は、設計と、図面と工事が適合しているかを確認する設計監理を専門的に担当するため、施工については提携する工務店などに施工を依頼し、タッグを組んで建築にあたります。
 

ここで気になるのが、ハウスメーカーと工務店の違いについて。設計・施工のすべてを手がける工務店は、ハウスメーカーと一体何が違うのでしょうか。
 

ハウスメーカーと工務店の違いは規模感と工法

「ハウスメーカー」の定義

ハウスメーカーと工務店の分類について、実は明確な基準・定義はありません。ですが、一般的には以下の条件に当てはまる大規模な会社を「ハウスメーカー」、それ以外の会社を「工務店」と呼称することが多いです。
 

  • 全国に展開しており広域エリアに対応可能
  • 年間の建築棟数が数百〜数千と多い
  • 主に規格化された住宅を取り扱っている
  • 住宅展示場に多数出展している

テレビCMのようなマス広告の有無なども基準のひとつと言えるかもしれませんね。

 

建築棟数が年間1000棟以上の会社をハウスメーカーと定義した場合、代表的な会社としては
 

積水ハウス、ダイワハウス、セキスイ­ハイム、へーベルハウス(旭化成ホームズ)、三井ホーム、ミサワホーム、パナソニックホーム、トヨタホームなど、テレビCMなどでよく耳にする社名が並びます。また、一条工務店のように名前に「工務店」とついているものの、規模感としてはハウスメーカーと呼ぶべき会社もあります。
 

工務店は、社員数名で年間数棟の建築を行う規模から、数十人〜数百人の社員を抱え年間数百もの建築棟数を行う会社まで幅がかなり広いです。そのため、大規模な工務店と中堅ハウスメーカーの差はあいまいです。
 

プレハブ(ユニット)工法はハウスメーカーならでは

ハウスメーカーと工務店の大きな違いとして、工法の差も挙げられます。工法とは、家を建てる方法のこと。
 

日本の家は「在来工法」(木造軸組工法)といって、柱や梁で骨組みを組み上げ、筋交いや壁などで補強する建て方がもっとも多いです。大工さんが家を建てる様子を想像すると、イメージがつきやすいのではないでしょうか。工務店の多くが在来工法をメインとしていますが、ハウスメーカーにも施工を在来工法で行なっている会社はあります。
 

これに対して、可能な限り住宅の規格化・統一化を行っているハウスメーカーならではの工法が「プレハブ(ユニット)工法」。プレハブと聞くと、「プレハブ小屋」と呼ばれる簡素な建物が思い浮かぶかもしれませんが、それとはまったくの別物です。
 

プレハブは、正確にはプレファブリケーション(prefabrication)の略称で、 あらかじめ工場などで生成されたパーツを組み合わせて家を建てる方法です。日本語では「工業化住宅」と呼ぶこともあります。
 

住宅を構成する躯体(くたい)といわれる床や柱、壁などの構造部分をあらかじめ工場でつくり­あげ、それを現場で組み立てるため、施工期間の短縮が可能。施工時のミスなどが起こりづらく、高い品質を維持しやすいといったメリットがあります。
 

ただ、ある程度規格が決まっているということは、規格外の間取りの変更が難しいということでもあります。つまり、細かい調整が必要になる変形地や狭小地に家を建てようとする場合には不向き。

複雑な条件を抱えた土地で家を建てようとする方がユニット工法を得意とするハウスメーカーに依頼しても、十二分に力を発揮することは難しいでしょう。
 

ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所の特徴

自身の希望条件と工法との相性が、家づくりにおいてとても重要だということは、ここまでで十分感じていただけたのではないでしょうか。
 

工法以外にも、各社の得意分野を知ることでより正しいパートナー選びに近づけます。ここでは各社の特徴、メリット・デメリットについて解説しましょう。
 

ハウスメーカーの特徴、メリットデメリット

ハウスメーカーの特徴は、資材や工法の規格化により効率化・高クオリティを実現している企業が多いこと。企業ごとの独自技術や工法を活かした住宅も多いです。
 

施工は下請け会社が担当することも多いのですが、ハウスメーカーが設けた基準をクリアした会社にのみ依頼するため、一定以上の品質を常に担保しています。アフターサービスの手厚さなど、大企業ならではの安全性・機能性の高さも大きな魅力ですね。
 

反面、徹底した規格化によりコストの削減を行なっているため、規格外のことを行おうとすると余計なコストがかかってしまうところはデメリットと言えるでしょう。とは言え、間取りや仕上げ材について豊富な選択肢が用意されている会社もあります。自分の希望を叶えられる選択肢があるか、価格とのバランスはどうかを考えながら検討してみてはいかがでしょうか。
 

また、前述したように、難しい条件を持った土地の場合は工事が不可能なこともあります。検討しているハウスメーカーがある場合は、土地探しから相談することをお勧めします。
 

ハウスメーカーがおすすめな人

【高性能な家に住みたい、早く住みたい(引越し時期が決まっている)、資金計画や手続きも相談したい、アフターサービス重視、好きなメーカーがある、大企業ならではの安心感を重視したい】
 

工務店の特徴、メリットデメリット

工務店は、経営にかかる諸経費や宣伝費が大企業よりも少ないため、コストを抑えた家づくりを得意とする会社が多いです。
 

ハウスメーカーや建築設計事務所など、さまざまな会社の施工を担っている工務店なら、技術力が高く経験豊富なところも大きなメリット。「ハウスメーカーでは受けてもらえなかった複雑な条件を持つ土地も、工務店なら請け負ってもらえた」ということもあるようです。
 

また、営業区域を比較的狭い地域に限定した地域密着型の会社が多いため、入居後にトラブルがあった場合の対応もスピーディ。地盤・気候などの特性を知り尽くした工務店ならではの提案も期待できます。
 

ただ、安心・安全を第一に心がけるがゆえに、保守的なデザインとなりがちな傾向も。会社によって工法の得手・不得手に差があるため、苦手な工法だった場合に追加料金がかかったり、工期が延長になったりという事態も考えられます。トラブルを避けるためには依頼を検討している工務店が手がけた施工例を確認しておくこと。自身の要望と工務店が得意とするデザイン・工法が一致しているか、事前に調べておくことをお勧めします。
 

工務店がおすすめな人

【よりコストを抑えたい、難しい土地に家を建てたい、地元の特色をわかっている会社に頼みたい、住んでからトラブルが起こった時にすぐ駆けつけてくれる会社がいい】
 

建築設計事務所の特徴、メリットデメリット

建築設計事務所最大のメリットはデザイン性の高さと自由さ。施主の希望をしっかりと汲み取り、最大限希望を活かしたオーダーメイドな家づくりが得意です。
 

地元に根ざした設計事務所の場合、土地環境を最大に活かし、経年を見越した提案を行なってもらえることも多いようです。施工は工務店に依頼することとなりますが、工事中、図面通りに工事が行われているかを確認する設計監理も建築家が行うため、厳しく細やかな管理が期待できます。
 

デメリットとしては、設計料が比較的高めになりがちなこと。依頼から竣工までの期間が半年〜数年と長めなことでしょか。
 

建築設計事務所がおすすめな人

【こだわりの家をつくりたい(間取り、外観、素材などにこだわりたい)、難しい土地に家を建てたい、引越し時期はいつでもOK、納得いくまで理想の家を考えたい】

 

ただ、上記はあくまで一般的な特徴です。
 

テイストや間取りにこだわりがあったり完成イメージを明確に持っていたりする方には建築家が合うと言われがちですが、自由度高く家をつくれるハウスメーカーもありますし、攻めたデザイン施工が可能な工務店もあります。一般的な特徴は押さえつつ、固定概念に縛られず会社探しを行いたいものです。
 

自分に合った会社の見つけ方

求める条件を整理する

ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所それぞれの特徴がわかったところで、次は自分の求める条件を整理しましょう。まずは希望するデザインテイストや間取り、引っ越し時期、土地条件有無や資金計画など。さらに、優先度や、それぞれについて譲歩できる範囲なども家族ですり合わせておくと、よりベターです。
 

依頼先のミスマッチを防ぎ、本当に合う会社と出会うには、自身の希望を正確に把握することが重要。ノートやメモなど可視化できる形にまとめながら、じっくり考えてください。
 

自分に合う会社の判断方法

工法から考える

判断基準としていくつかの要素が挙げられますが、まず最初に判断しやすいのは工法。工法は、ハウスメーカー・工務店ともに、会社によってかなり特性が出る部分。会社によってできること、できないことがはっきりと分かれます。
 

先ほどまとめた希望のうち、土地条件の有無や間取りへのこだわりの部分に関わってくるところですので、それらの条件を踏まえたうえで検討してください。いちばん手っ取り早いのは問い合わせて自身の希望を伝え、可能かどうかを聞いてみることです。「対応可能だけれど費用がかかる」といった返答がくることもありますので、工法と費用面を軸に考えても判断しやすいのではないでしょうか。
 

実際にプランを出してもらう

もうひとつの判断方法としては、実際に要望を伝えて各社にプランを出してもらうことです。
 

「依頼するかどうかわからないのにプランなんて」と思われるかもしれませんが、要望を伝えて上がってきたプランを見ればやれること・やれないことが一目瞭然なので、推測であれこれ考えるよりも圧倒的に早いです。どんなプランを提案してくるかで、各社の提案力も見られます。
 

展示場の事例を見る

プランの依頼よりも少し前段階での判断方法としては、やはり住宅展示場などで実物を見ることです。

実際に足を運び確かめることでスケール感や素材なども見られますし、「これまで気付かなかった新たな自分の希望や好みが見えた」というのもよく聞く話。
 

ただ、展示場のモデルハウスをひとつずつ巡っていくのもなかなかの重労働ですので、展示場サイトなどでいろいろな事例を見て、行く前に気になるメーカーのあたりをつけておくことをお勧めします。
 

最近は写真だけでなく、VRなどで事例を見られる展示場も増えてきました。自分の気になる会社を事前に絞り込んでおけば、比較検討もしやすくなると思います。

VRモデルハウスを見る

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