2021.08.31
お気に入り

注文住宅と建売住宅はどこが違う?どっちを選ぶべき?

新築の一戸建ては、1から設計して建築する注文住宅と、すでに完成した家を買う建売住宅(分譲住宅)に大きく分けられます。それぞれにメリット・デメリットがありますし、費用も変わってきます。どっちがいいか迷う人に向けて、気になるポイントを比較してみました。

注文住宅と建売住宅の違いとは

注文住宅も建売住宅もどちらも大きく言えば、「新築一戸建て」に当たります。

注文住宅というのは更地と呼ばれる何もない土地に住宅を建てることをいいます。自分たちの希望を反映して1から好きにつくることができ、オンリーワンの住まいをかなえることができます。

一方、建売住宅は既に完成している一戸建てを購入することです。建売住宅は、「分譲一戸建て」とも呼ばれます。

分譲というのは、簡単に言うと「土地や建物を分割して譲渡すること」を指します。ですので、ある程度まとまった土地をいくつかの区画に分割して売ることも分譲に当たり、宅地分譲などと呼ばれます。また、一棟の建物をいくつかの住戸に分けて売ることも分譲と呼ばれ、分譲マンションがこれに当たります。

ある土地に一戸建てを建てて、それを売ることを分譲一戸建てと呼びます。この分譲一戸建ては1軒だけ売られるケースもありますが、ある程度の広さを持った分譲地をいくつかの区画に分け、複数の一戸建てが売られるケースも多くみられます。その規模によって分譲棟数はさまざまですが、大きな分譲地になると数十戸から数百戸の戸建てが分譲されることもあります。

このように、注文住宅と建売住宅(分譲一戸建て)は新築一戸建てという意味では同じですが、その内容はかなり大きく異なるものなのです。

注文住宅と建売住宅のメリットとデメリット

次に、注文住宅と建売住宅のメリットやデメリットを比べてみましょう。

既製のスーツとオーダーメイドスーツの違いに似ている?

両者の違いは、服、例えばスーツに例えるとわかりやすいかもしれません。

スーツは既に出来上がっている既製のスーツ(「吊るしのスーツ」と呼ばれることもあります)をお店で購入する場合が大半かもしれませんが、オーダーメイドのスーツを作るという選択肢もあります。

ここで言う吊るしのスーツが建売住宅、オーダーメイドのスーツが注文住宅に当たります。

オーダーメイドのスーツを作る場合、例えば生地などの素材を選ぶことができますし、服のサイズは自分の体を採寸し、ぴったりに合わせて作ることができます。こうして自分に合ったオンリーワンのスーツを作ることができるわけですが、その分時間やお金がかかります。

一方、普通にお店に売られている既製品のスーツの場合は、多くの人に合うように作られているのでやや個性に乏しいかもしれませんが、その分、選択肢も多く、サイズやテイストが合えば自分に合ったスーツを購入することができます。それにオーダーメイドで作るよりもすぐに手に入りますし、一般的には安く済むことも多いでしょう。

注文住宅のメリットとデメリット

注文住宅と建売住宅も、スーツのようにそれぞれメリットやデメリットが存在します。

例えば注文住宅のメリットとしては、自分たちの希望や暮らしに合わせて1からカスタマイズできるので、自分たちの生活にぴったり合う住まいをつくることができるのが何よりのメリットです。

また、打ち合わせを重ねて間取り、素材、住宅設備など1つ1つを選んでつくっていけるので、こうした過程も楽しむことができます。選択肢が豊富にあるので、お金をかけたいところやあまりお金をかけないで済ませたいところなど、コストのメリハリをつけることができるのもメリットでしょう。

一方デメリットとしては、何でも自由にできる分、時間や手間が大きくかかってきます。間取りプランを設計するまでの打ち合わせにも時間がかかりますし、実際に詳細な設計図をつくる過程でも、どんな設備、建材を使うかなど1つ1つ選定をしていく必要があり、手間がかかります。

さらに、好みに合わせて選んでいくとついついお金がかかってしまい、当初の予算をオーバーしてしまうこともしばしば起こります。

また、注文住宅を土地探しから始める場合には、そもそも気に入った土地を見つけるまでが大変で、なかなか希望条件に合った土地に巡り会えず、土地を購入するまでにかなり長い時間がかかってしまうこともしばしばあります。

完成形が見えにくいので、出来上がってみたら思っていたのと違っていたなどということが起こり得るのもデメリットの1つと言えるでしょう。

建売住宅のメリットとデメリット

一方、建売住宅は、注文住宅に比べると、一般的に安く住宅を手に入れることができるのがメリットです。

また、実物を見ることができるので、あらかじめどんな家に住むのかを確認できますし、入居まで時間がかからないこともメリットです。さらに、建売住宅は土地と建物がセットで販売されるので、土地探しの手間と時間がかからないこともメリットでしょう。

一方デメリットはというと、間取りや仕様がなるべく多くの人に合うようにつくられているので、どうしても画一的になりがちなところがあります。また、住宅メーカーによって建物の標準仕様に差があるため、断熱や耐震などの性能面のチェックがより重要になります。

また、既にできあがっているので建物の内部、目に見えないところ、施工の品質に関わるところを確かめづらいのもデメリットといえます。

注文住宅と建売住宅のメリット・デメリット比較

比較のポイント①設計の自由度

それぞれの比較ポイントについて、もう少し詳しくみていきましょう。

まず設計の自由度ですが、注文住宅の方が高く、建売住宅にはあまり自由度がありません。

自由に設計してプランをつくれるというのが注文住宅の何よりの魅力ですが、それだけに住み手(施主)が決めなくてはいけないことが多くなります。

また、1から設計プランをつくるため、設計者のスキル、あるいは担当者とのコミュニケーションが大変重要になってきます。自分たちの理想の暮らしのイメージ、その優先順位をしっかりと定めていないと迷うことが多くなります。自由であるがゆえの難しさと言えるでしょう。

 

一方、建売は既に家が完成しているので設計の自由度はほぼありませんが、そのこと自体が決して悪いわけではなく、その住宅のプランや仕様が気に入れば問題はありません。

建売住宅はなるべく多くの人に選ばれるよう画一的なプランニングになりがちではありますが、住宅メーカーによってはさまざまな工夫を取り入れています。特に多くの住宅を分譲している会社は、その分ノウハウが蓄積されており、人気や満足度の高いプラン・仕様が取り入れられていることも多いです。

ですので、設計の自由度に関しては、自分たちがどのような暮らしをしたいのか、どういった住まいで暮らしたいのかをよく考え、それが自由設計によってかなえられるものなのか、あるいは既存の建売住宅でも充分かなえられるものなのかを問い直してみることが必要だと思います。

比較のポイント②コストパフォーマンス・価格

次は気になるコスト、費用について詳しくみていきましょう。

注文住宅はコストの調整がしやすい

注文住宅の場合は、どういった間取り・設備・仕様にするかを1つ1つ決めていくので、その分コストのコントロールができます。こだわりたいところにお金をかけ、そこまでこだわらなくても良いところはなるべく安く済ませるなど、コストのかけ方にメリハリをつけることができます。

ただし注意点としては、希望を膨らませ、やりたいことをどんどん盛り込んでいくとたいてい予算オーバーになってしまうことが挙げられます。これはある程度は仕方ないのですが、その後にいかに予算内に収めていくかのコスト調整がなかなか大変です。何にお金をかけるか、何をあきらめるかなどを1つ1つ吟味していく必要があります。この過程を楽しめるかどうかというのも、注文住宅を選ぶかどうかの1つの基準になるかもしれません。

建売住宅はコストパフォーマンスが高い

一般的に言って、注文住宅で建てるよりも分譲住宅の方がコストは抑えられる傾向にあります。なぜかと言うと、分譲住宅の場合、住宅メーカーは建てた家を必ず全て売り切らなければいけないので、市場の相場感に合わせた価格設定が行われるからです。つまり、あまり高すぎると売れ残ってしまうので、そのリスクを避けるため、ちゃんと買ってもらえるような価格設定を行うわけです。

また、建売住宅の多くは複数の戸建てを同時に作るので、その分コストが抑えられる傾向にあります。さらに、多数の分譲住宅を手がけている会社であれば、常に大量の一戸建てをつくっているので、住宅設備や建材、あるいは職人さんの手間賃などにおいて、大量発注によるコストダウンを図ることができるのがメリットです。こうして、建売住宅の値段をリーズナブルに抑えることができるわけです。

コストの裏側に意識を向けよう

ただし安いから、お得だからといって安易に建売住宅を選ぶのは注意した方が良いでしょう。先ほど例として挙げたスーツの場合、既製品のスーツと言っても、安いコストで大量に作られているスーツもあれば、一部のブランドやセレクトショップのように、素材や仕立てにもこだわった高級なスーツも存在します。

同様に、建売住宅(分譲住宅)とひとことに言ってもその価格や品質はさまざま、はっきり言ってピンキリです。建売住宅は安いと安易に飛びつくのではなく、その価格の理由はどこにあるのかを調べたり、営業担当者に確認したりすることが大事なのです。

その際のポイントとしては、住宅としての基本性能の高さ、例えば耐震、断熱性能などがどのくらいなのか、使われている部材・建材がどういった品質のものなのかなどに注目すると良いでしょう。

もう1つ、外構・エクステリアに注目するのもポイントです。外構、庭や外まわり、アプローチなどはどうしても後回しにされがちなところなので、分譲住宅を見る際には建物や家の内装だけでなく、外構部分がどのくらいつくり込まれているかに注目するのも1つの方法だと思います。

比較のポイント③入居までの期間

実際に住み始めるまでにどのくらい時間がかかるかも、比較のポイントです。

注文住宅は1からつくっていくので、どうしても時間がかかってしまいます。特に、土地探しからの場合、思い通りの土地を見つけるまでに時間がかかってしまうことがあります。エリアや希望する条件にもよりますが、土地を見つけるまでに数年かかってしまうなんてこともざらにあります。

また、実際に打ち合わせから設計・施工・入居までの時間を考えると、比較的早いハウスメーカーでも3か月から半年はかかります。建築家の場合は、さらにプランニングに時間がかかる傾向にあり、人によっては設計プランだけで1年以上かかるということも往々にしてあります。

建売住宅の場合、すでに家が建っている状態なので、引き渡しまでの時間が短く、いつ引っ越し・入居できるかのスケジュールが立てやすいのがメリットと言えるでしょう。ですので、家づくりや住み始めるまでにどのくらいの時間をかけられるのか、いつまでに引越しを済ませたいのかというのも、注文住宅か建売住宅かを選ぶ大きな基準となってきます。

比較のポイント④依頼先となる会社選び

最後に依頼先について詳しくみていきましょう。

注文住宅の場合、依頼先として考えられるのがハウスメーカー、工務店、建築家(建築設計事務所)などです。これらの特徴や違いについては、別の記事で詳しく説明しているのでそちらをご覧ください。

【関連記事】
ハウスメーカー or 工務店 or 建築家 家を建てるならどっち?

建売住宅(分譲住宅)の場合、ハウスメーカーやある程度の規模のある工務店、パワービルダーと呼ばれる大手の工務店が主要な依頼先となります。

特に、このパワービルダーというのは、分譲住宅を主に手がけている企業で、日本で1番大きなグループである飯田ホールディングスともなると、年間で10,000棟以上の分譲住宅を供給するなど非常に大きな勢力となっています。また、マンションデベロッパーと言われる会社も、実は分譲一戸建てを多く手がけています。

それぞれの会社の特徴によっても、その分譲住宅の特徴や強みが異なってきます。例えばハウスメーカーであれば、注文住宅で培ったノウハウを生かした分譲住宅をつくるのが特徴です。パワービルダーの場合、取り扱う住宅の数が多いため、大量発注によるコストダウンなどコストパフォーマンスに優れるところが強みとなります。

なお、新築ではありませんが、近年、中古の一戸建てをフルリノベーションして新築同様に生まれ変わらせて販売する、リノベーション済み再販住宅というのも増えてきています。リノベ済みの一戸建ては、新築で買うよりも安く手に入れられることが多いので、こうした住宅も選択肢に入れるといいかもしれません。

自分たちが重要視することは何か?そこから比較する

注文住宅と建売住宅(分譲住宅)は、同じ新築一戸建てといってもその内容は大きく異なります。

つくる過程、依頼先、コストの考え方など、さまざまな点で異なってくるので、自分たちが求める住まい、どんな暮らしがしたいのか、どんな家に住みたいのか、あるいはいつまでに入居したいのか、予算はどのくらいかけられるのか、どこまで自分たちのこだわりを実現したいのかなどの要素を加味して、注文住宅か建売住宅かを検討するようにしてください。

いずれもメリット・デメリットがあるので、単純に価格が安そうだからという理由で選んでしまうことなく、できれば注文住宅と建売住宅の両方を見学したり、住宅メーカーの人に話を聞いたりすることで、自分たちにしっくりくるのはどちらなのかを考えるのが良いと思います。

この記事をシェアする
注文住宅の流れ・家が建つまでのスケジュール
初めて足を運ぶ人のための住宅展示場ガイド

この記事と同じカテゴリの記事・用語解説