2021.12.28
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「注文住宅」にも種類がある。完全自由設計・セミ自由設計・企画型住宅は何が違う?

住宅を取得する際の方法には、大きく注文住宅と分譲住宅の2つがあります。そして、注文住宅の中にも自由設計企画(規格)型の2つの方法があります。この記事では、注文住宅の2つのスタイルを中心にそれぞれの特徴について解説します。

 

そもそも住宅取得にはどんな形態がある?

住宅を取得しよう——。そう決意したとしても最初は、「どんな方法があるのかが分からない」、「戸建てにするのか、マンションにするのかも決め切れていない」という人がいます。実際には、いろいろな知識や情報に触れていく中で、落としどころが見つかるのですが、とは言え上記のような事柄はより良い住まいを得るための大切な入り口になります。

入り口を誤ったために、中途半端な検討に終始してしまい、満足度が高い住まいを得ることができなかったという人は意外に多いものなのです。ですので、入り口部分についてしっかりと頭の中を整理しておくのは、とても重要なことだと考えられます。

さて、住宅は大きく持ち家と賃貸に分かれます。そして、持ち家は取得の仕方で注文住宅と分譲住宅に大別されます。持ち家のマンション(共同住宅)は分譲しかありませんが、戸建ては注文住宅と分譲住宅の2つの取得方法があります。

 

では、注文住宅と分譲住宅はどのように異なるのでしょうか。簡単に言うと、前者は自由設計か企画(規格)型かの選択をし、住宅事業者に設計・建築などを依頼するかたちが取られます。この場合、土地がない人はその購入も必要となります。一方、後者は原則的には土地と完成した建物をセットで購入するものです。

ある分譲マンションの内部の様子。一部には内装などをカスタマイズできるものがある

なお、分譲住宅には、「建築条件付き土地」という形態があります。これは、住宅事業者が所有する土地をその事業者で建築するという条件で販売するもので、この場合は注文による建築スタイルとなります。

 

自由設計と企画型の違いとは

次に、注文住宅における自由設計と企画型の違いについて説明します。

自由設計とは土地の形状や周囲の状況、住まい手の好み、ライフスタイルなどに合わせて、文字通り「住まいづくり」を行うものです。

木造軸組工法の構造体模型。日本で最も多く建てられている工法だが、その中にも事業者で異なる工夫が用いられている

もう1つの企画型は、建物の形状、デザイン、仕様、設備など、あらかじめ決められたプランから選択し、住まいづくりを進めるものです。同じ注文住宅ですが、間取りなどの自由度はかなりの部分で制限されます。

例えば、構造体が木材か鉄骨材かなどはもちろんのこと、床材に使われる木材の種類、キッチンなどの種類や素材、カラーまであらかじめ決められています。そこから外れると、オプションとなり総額が高くなるわけです。

本物のレンガを用いた外壁。これは一部の事業者しか対応していない

 

さて、次に自由設計についてさらに詳しく見ていきます。実は、この住宅取得のスタイルには、「完全自由設計」「セミ自由設計」とも言うべきスタイルがあるということを知っておきましょう。

完全自由設計は、住宅建築に用いられる工法や素材など全てに制限がない、「一点モノの住まい」というイメージです。セミ自由設計は、工法や素材には一定の制限があるものの、その範囲の中でなら自由な住まいづくりができるというというイメージです。

住宅事業者で見ると、ハウスメーカー・工務店を含むほぼ全てがセミ自由設計であり、設計事務所(建築家)のごく一部だけが完全自由設計であると言えます。なぜ、こうなっているかと言うと、事業者にはそれぞれ「木の家が得意」などの特徴があるためです。

 

なぜ「セミ自由設計」が主流になっているのか

具体的には、例えば大手ハウスメーカーは独自の工法のほか、オリジナルの外壁素材、内装部材などを有しています。その理由はそれぞれの事業者をそれらにより特徴づけるためであり、またそうでなければ事業がスムーズに進まず、経営も安定しないからです。

リビングのテレビラック。このような建具にも事業者オリジナルの素材を用いるケースもある

顧客となる皆さんにとって、住まいづくりを行いやすくするためでもあります。何でもそうですが、全て自由に選択できるというのは逆に難しさを感じてしまうもので、一定の制限がある方が物事は進みやすいはずです。

完全自由設計で住まいづくりを行う場合、住宅建築に相当の興味やこだわりがある人でないと混乱してしまい、そのため打ち合わせなどに大変時間がかかりとても疲れてしまうに違いありません。つまり、そうならないようにハウスメーカーによる自由設計には、企画型の要素が必ず含まれているのです。

そこで企画型がどのような住まいづくりのスタイルなのか改めて説明すると、一定の制限があることで住まい検討の時間や手間がかからず、心理的にも余裕を持って住まいづくりを行えるという利点があります。

厳密に言えば完全自由設計というスタイルは存在しないと言っても過言ではないかもしれません、設計事務所の段階ではそうであるものの、実際に建築を行うのは彼らから依頼された、それぞれの得意分野を持つ工務店や建設会社だからです。

中には、「当社は完全自由設計」と謳っている住宅事業者もありますが、これは上記のようにセミ自由設計が事実上、完全自由設計と表現しても良い状況であるからで、ごまかそうとして言っているわけではありません。

ちなみに、あまりスキルのない営業担当者の中には「我が社ならどんな要望でもかなえられます」、「何でも対応できます」なんて言う人がいます。上記の話をご理解いただける方なら、それがウソであるということが分かるはずです。

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