「郊外型」「都市型」など地域によって変わる住宅展示場のタイプ
全国に約340ヵ所あると言われる住宅展示場。当然ながらその所在地はバラバラで、そのためモデルハウスの内容も地域によって異なっています。そこで、この記事では住宅展示場と言ってもどのようなバリエーションがあるのかや、見学のポイントについてまとめてみました。
総合住宅展示場と単独住宅展示場の違いとは
住宅展示場といっても実は様々なタイプがあります。まず、大きく「総合住宅展示場」と「単独住宅展示場」に分かれます。前者は複数の住宅事業者のモデルハウス、後者は1社のモデルハウスで構成されます。
ちなみに、後者は前者のすぐ近くにあるケースもあります。事業者目線からすると、そうすることで単独展示場でありながら、多くの人たちの来場を見込めるためです。
また、後者は前者のモデルハウスでは確認しづらい、構造上の特徴などを分かりやすく展示した、ショールーム的な機能を有しているケースがあります。
さて、ここから先は総合住宅展示場を中心に紹介していきます。モデルハウスが数十棟あるものから、少ないものでは5棟以下という場合もあります。
そして、大きく郊外型・都市型に分類されます。このうち郊外型は平屋建てと2階建てが中心になります。
都市型は3階建てが中心になります。東京や大阪、名古屋など、大都市の中心部では4~9階建てといった中高層のモデルハウスも存在します。そして、当然ながらモデルハウスの内容も郊外型と都市型では、提案内容がずいぶんと異なります。
郊外型は子育て世帯向けや、比較的広い敷地での二世帯居住などがメイン。都市型は限られた敷地の有効活用、例えば二世帯居住だけでなく、賃貸住宅や店舗を併用する提案などが盛り込まれています。
また、郊外型と都市型の中間タイプというのも存在します。要は、地域の住宅需要のあり方や敷地条件などの実情に合わせ、モデルハウスの形態は変えられているわけです。ですので、皆さんが住宅の取得を目指す地域に近い住宅展示場にまずは足を運んでみると良いでしょう。
規模などが現実的なモデルハウス
「リアルサイズ」にこだわったモデルハウスというのも存在します。モデルハウスは一般的に豪華で大きな建物で、そのため「自分たちの新居には参考にならない」と感じる方もいらっしゃるでしょう。
ですのでリアルサイズモデルハウスは、例えば延べ床面積が90㎡(30坪)~120㎡(40坪)くらい、内外装も「ちょっとしたこだわり」程度に抑えられ、しかも収納や家事動線などの工夫が盛り込まれているものです。
普通は1棟のモデルハウスが建つ敷地に、2棟分(分離タイプと合体タイプがあります)建てられているケースなどもあり、特に都市型の住宅展示場に最近はよく見られるようになりました。
このケースでは手前の和風と奥のモダンデザインの建物がそれにあたり、2棟は通常1棟が建設される区画に建てられている。
リアルサイズモデルハウスは、郊外での暮らしをお望みの方にもオススメです。収納の確保はどんな住宅でも課題になるテーマ。それに関する高度な提案が盛り込まれている建物は、とても参考になるからです。
また、「郊外で比較的狭小な住まいに住みたい」という方もいらっしゃるでしょう。都市型モデルハウスには、動線を工夫することで狭さを感じにくくする設計が施されていることがあり、そうしたニーズにもマッチしています。
高級モデルハウスはアイデアの宝庫
逆に、各ハウスメーカーの代表的な商品ばかりを集めた高級モデルハウスを一堂に集めた住宅展示場も存在します。これは東京や名古屋、大阪などの中心部がメインで、中には1棟の建築費が数億円というモデルハウスもあります。
元々、住宅展示場のモデルハウスは、皆さんに住まいづくりや新居での新しい暮らしに夢を感じてもらうためのものですが、高級モデルハウスはその究極的な存在と言えます。機会があればぜひ、見学してみてください。
というのも、より良い住まいづくりをするためには多種多様な建物を見て、触れて、体験する機会を多く持つことが大切だからです。高級モデルハウスを見学して、そこにあるさまざまな提案の中から皆さんの琴線に触れるものを見つければ良いのです。
そこで見つけた提案は高額なものかもしれませんが、予算をそれほどかけなくても似たようなものなら実現できます。要は、「こんな住まいに住みたい」「こんな暮らしがしたい」というイメージづくり、アイデアを広げるきっかけにすればいいわけです。
高級住宅展示場のモデルハウスもモデルハウスに違いありませんので、誰にでも無料で公開されています。遠慮していては良い住まいづくりはできませんから、高級モデルハウスにも積極的に足を踏み入れてみてください。