2021.08.31
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注文住宅の流れ・家が建つまでのスケジュール

注文住宅が建つまで、どれくらいの期間が必要だと思いますか? 「家を建てよう!」と決めても、始めるタイミングや進め方が分かりにくいのが家づくり。

過程やスケジュールを事前にしっかり把握できていれば、気持ちのうえでも余裕を持って、より良いマイホームへと近付くことができるはずです。

すでに家づくりを進めている方にはこれからやるべきことの確認として、これから家を建てる人にはどんな風に進んでいくかのイメージ材料として役立てていただけると幸いです。

 

注文住宅・家が建つまでのスケジュール

家づくりのスケジュールは、大きく言うと

「計画・準備」→「契約・設計」→「工事・検査」

といった順で進んでいきます。
まずは以下の図で大きな流れを確認しましょう。

注文住宅の流れ

                     
家づくりの計画・準備                                

情報収集・イメージづくり

どんな家に住みたいか、今の家で困っていて解決したいことは何か。
注文住宅を作るうえでのベースとなる希望・要望を明確にすること。

家づくり最初のステップですが、実はここでしっかりイメージを作っていくことが、何より大切。結果的に満足いく家づくりへの近道でもあります。

家族の希望や要望をすり合わせる

うまくまとめるポイントは、希望以外に困っていることや改善したい点も挙げること。

「友人をたくさん呼べる家にしたい」「光がたくさん入る家にしたい」などのイメージやデザインテイストへの希望はもちろんですが、「荷物が入りきらない」「脱衣所が寒い」「在宅勤務に集中できにくい」など、現在それぞれが抱えている不満や問題について話し合えば、新たな家で必要とされるものは自ずと見えてきます。ある程度まとまったらそれぞれの優先順位もつけておくと、依頼先に相談する際もスムーズです。

 

住宅会社の強みを調べる

ハウスメーカーや工務店など、各社の得意分野や強みについての情報を収集しましょう。
ここで先ほどまとめた希望・要望リストが役に立ちます。

また、今現在住んでいる土地に家を建てるのか、新たに購入するところから始めるのかによっても、選ぶ会社は変わってきます。情報収集と同時に、自分のステータス(土地の有無、入居希望時期、費用など)もまとめておくと、どの会社がより自分に合っているのか、判断がつきやすくなります。

具体的な依頼候補を探すには、インターネットや住宅雑誌が便利。住宅展示場サイトでは各メーカーの建築事例も見られます。この段階でははっきりと候補を選ばなくてもOK。なぜなら依頼先は費用や見積もりによって判断するべき部分も大きいからです。

住宅展示場を探す

資金計画を立てる

預貯金や年収額から、資金計画を立てましょう。

現在の自分の状態でどれくらいの価格の家が建てられるのか、月々の支払額はどのくらいかか、住宅ローンは使えるのかなど、具体的に考えることが大切です。親からの贈与などが見込める場合は、この段階で一度相談を行っても良いですね。

 

依頼先を決める

依頼先候補を絞り込む

自身の希望・要望リストと資金計画、各社の得意分野などの情報が集まったら、具体的な依頼先探しを始めましょう。

例えば高気密・高断熱や耐震性など、住宅性能の高さを求めるならその部分で優れた技術を持つ会社を選ぶべきですし、個性的なデザインや素材にこだわりたい方であれば、そのような対応が可能な会社や建築設計事務所を選ぶことをおすすめします。

ハウスメーカー・工務店・建築設計事務所の違い・選び方については、以下の記事をご覧ください。


【関連記事】
ハウスメーカー or 工務店 or 建築家 家を建てるならどっち?


実際に住宅展示場に足を運んで、気になるハウスメーカーのモデルハウスを回ってみたり、セミナーや相談会に参加するのも有効です。実例見学会などで、実際にその会社に依頼した方の声を聞くのも参考になります。住宅展示場見学のコツについては、以下の記事をご覧ください。


【関連記事】
初めて足を運ぶ人のための住宅展示場ガイド
 

ラフプラン・相見積もりから比較検討し、依頼先を決める

候補を絞り込んだら、実際にラフプラン(間取り)の提案をお願いしてみてください。同じ条件・費用の希望を伝えても、提案内容は会社によって違うはず。各社の提案力や対応力なども、ここでかなり確認できます。

どのプランが自分の希望に近いか、費用とのバランスはどうかなどを考えながら比較検討しましょう。ちなみに概算見積書の書式は会社によって違います。総額だけでなく、内訳に何が含まれていて何が無いのかなども、あわせて確認してください。

土地探しは依頼先選びとセットがベター

「依頼先選びと土地探しがどうしてセットなの?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、これから土地を購入して家を建てるなら、土地選びはできるだけ依頼先と共に行うことをおすすめします。

そもそも土地というのは法規制などの制限が多いもの。土地の制限を知らずに購入してしまい、結果として思い通りの家が建てられなくなってしまったという話も耳にします。一見良い土地に見えても、建ぺい率や容積率、道路との関係や斜線制限など、どんな制約が隠れているかわかりません。

仮に制限内容が分かったとしても、そこから考えられるリスクや、その土地で思い通りの家が建てられるのか判断がつかないことを考えると、土地を購入する前に建築のプロである依頼先候補と一緒に下見に行くようにしてください。

素人目に見てあまり良くないように感じた土地が、実はプロの目線で見ると良い土地で相場より安く購入できた、なんてことも。狭小地や旗竿地などの条件がある土地であっても、提案されたプランによっては思いもよらない良い家になることもあるかもしれませんよ。

設計・請負契約(ハウスメーカー・工務店の場合 ※設計施工一体型)

1社にしぼったら、さらに詳細なプランニングや資金計画を進めます。

詳細プラン・資金計画

要望やイメージ、予算などを担当者に伝え、具体的な間取りやデザインなどのプランと資金計画を考えていきます。

プランニングのポイントは、家族それぞれの希望と優先度を事前にしっかり決めておくこと。間取りのイメージに近い資料などを共有すれば、より理想に近い提案を受けられるでしょう。

図面が上がってきたら、内容を確認して再検討します。
家事動線や将来のライフプランなどを考えながら修正を数回繰り返し、基本プランが決定。
このプランに沿って、想定される費用の概算が出されます。

総費用の内訳としては、家を建てるのにかかる「本体工事費」「付帯工事費」、ローンの申請にかかる保証料や手数料、登記費用などの「諸費用」、そして土地を購入する場合には「土地費用」などが挙げられます。

土地家屋の購入時には登録免許税や不動産取得税などの税金も支払う必要がありますので、減税措置などを事前に確認しておくと安心です。ハウスメーカーや工務店によっては社内のファイナンシャルプランナーにローンや補助金申請の提案を受けられることも。検討しているハウスメーカーや工務店はどの範囲まで対応可能か、相談してみることをお勧めします。

請負契約

基本プランと総費用の概算を確認したのち、契約の意向を伝えたら、請負契約の締結を行います。

一般的な手順としては、申込書を交わし、ハウスメーカー・工務店が契約書類を準備。施主は指定口座に申込金(預かり金)の入金を行います。

仕様決め

請負契約の締結後、詳細な仕様決めを行います。
ハウスメーカーや工務店の場合、資材などは標準仕様が決まっていることが多いため、細かい仕様変更やオプション追加などは請負契約を締結した後に決めていくのが一般的です。

ここで決めるのは壁や床、窓や扉の種類と位置、キッチン、収納、バス、トイレ、スイッチやコンセントの位置、照明計画、外構など、家に関わるほぼすべて。決めることが多く大変ですが、家づくりの醍醐味をいちばん体感できるところでもあります。

ちなみに、この時点での変更やオプション追加によって生じた費用については、請負契約と別に見積もりを出して貰うことが多いようです。

設計・監理契約(建築設計事務所の場合)

建築設計事務所の場合、設計のみを行い、施工は別の会社との契約となるため、ハウスメーカー・工務店とは流れが異なります。

設計・工事監理契約

依頼先が建築家(建築事務所)に決まったら、まずは設計契約を行います。(工事の監理も依頼する場合は、設計・監理業務の委託契約も合わせてここで行うこととなります)

土地の測量や法的制限、敷地境界線の確認などの敷地調査、地質や地形などについて調べる地盤調査を行ったら、いよいよ基本設計に入ります。

基本設計

建築家が希望・要望をヒアリングしながら、イメージを図面へと起こしていきます。予算調整が必要になる場合もありますので、優先順位と費用の配分を考えながら、理想の家をつくっていきましょう。

住宅設備、ドアなどの建具、仕上げ材などはショールームで実物を見てセレクトするのもおすすめ。基本設計図と概算の見積書、仕様書、仕上げ表などが完成したら、打ち合わせ内容や自身の希望と相違ないか、しっかりチェックしてください。

実施設計

基本設計が完了したら、次は実施設計。基本設計の時点で固まったプランを、さらに施工を行うためのより細かい設計図へと落とし込んでいきます。予算オーバーなどがあればこの段階で最終調整を行います。

実施設計の完了とともに、工程表や工事見積書などを含む実施設計図書が完成します。ちなみにこれ以降のプラン変更はコストアップや工期遅れにつながります。プラン変更を行いたい場合は、実施設計の終了までに相談しましょう。

建築確認申請

建築確認とは、これから建てる家が建築基準法などの法令に適合しているかを調べる手続きのことです。

建築確認申請は、基本的に依頼先会社が代行して行います。施主は建築確認申請手数料を依頼先会社に預けることになるのですが、その費用は自治体によってまちまち。各自治体サイトなどで事前に確認しておくと良いと思います。「住宅性能評価」、「長期優良住宅認定制度」などの申し込みもこの段階で行います。

                        
住宅ローンの申請

住宅ローンは、プランが決定しないと申請できません。ローンの審査には時間がかかることも多いですし、ローン審査が通っても、実際に住宅ローンがおりるのは家の完成後。

ローン契約の印紙税や手数料、保証料などに別途お金が必要になるため、いつ、何に、いくらかかかるのかをあらかじめ確認しておいてください。また、住宅ローン申請には多数の書類が必要です。住民票や印鑑証明書などの他、源泉徴収票や課税証明書など、依頼して取り寄せる必要のある書類もありますので、早めに手配しておくと良いでしょう。

 

工事の流れ

いよいよ着工です。まずは敷地の確認を行い(古家がある場合は解体も)、地鎮祭などを執り行ったのち、「基礎工事」→「上棟式(行う場合)」→「屋根・外壁・内壁下地・断熱工事」→「中間検査」→「配線・配管工事」→「内装・家具・建具工事」→「設備工事」→「外構工事」→「竣工検査」→「完了検査」といった順番で進みます。(会社によって多少順番に差がある場合もあります)

解体・地盤補強工事・地鎮祭・上棟式

土地の上に古屋があったり、建て替える場合は、解体工事に取り掛かります。土地調査などで問題があった場合は、更地にしてから地盤補強工事も行います。

土地が整ったら、工事の安全を祈願する地鎮祭です。地鎮祭を行う場合は、玉串料やご祝儀、祭壇費用、お車代なども必要です。

ちなみに地鎮祭のほか、基礎工事の後、棟上げまでの工事が終了した時点で、上棟式を行う場合もあります。職人さんへのご祝儀や食事会費用、お供え物や引き出物などの費用がかかります。最近では家族で木を植える「植樹祭」をする場合などもあるようです。

完成から入居まで

竣工検査、工事完了届の提出

建物工事が終了したら、工事監理者と施主で竣工検査を行います。

図面や仕様書通りに工事が行われているか、設備に不具合がないかなど、引渡し前の最終確認として隅々まで確認しましょう。気になる箇所があったり、追加工事が必要だったりした場合は、再度工事を依頼。工期や工事方法も含めた打ち合わせを行い、手直し後に再度竣工検査を行います。

建築基準法の完了検査

竣工検査後、すべての工事が完了したら、建築基準法に基づく完了検査を受ける必要があります。

一般的には施主が建築確認完了検査費用を預け、依頼先が各自治体や民間の指定確認検査機関に完了検査申請書を提出し、日程調整を行います。

検査後に交付される検査証は、フラット35などの申請時や住宅性能評価書を取得する際、増築時などにも必要となる重要な書類ですので、無くさないよう大切に保管してください。

登記申請手続き

完了検査が終わったら、1カ月以内に各都道府県の法務局で建物の表題登記を行います。   
申請は、法務局に直接書面を提出するほか、郵送、オンラインなどの方法があります。登記識別情報通知書は、登記完了から3カ月以内に受け取ることと定められていますので、必ず期限内に法務局で受け取りましょう。

登記申請手続き後は、所有権保存登記を行います。これらの申請は通常、土地家屋調査士や司法書士などの専門家に依頼しますが、自身で行うことも可能です。

住宅ローンの契約

登記申請手続きの終了後、必要書類を金融機関に提出し、住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)と抵当権設定契約を交わします。火災保険や、地震保険、団体信用生命保険などの保険類についても、ローン契約時に加入することが一般的です。

引き渡し当日の流れ

建物の引き渡しが行われると土地や建物を住宅ローンの担保として設定することができるようになるため、不動産の引き渡し(登記手続)と住宅ローンの融資実行は、まとめて同日に行われます。依頼先担当者、金融機関担当者、司法書士などが同席し、平日に設定されることがほとんどです。

流れとしては、代金から手付金など事前に支払った金額を除いた残金を支払った後、事前に申し込んだ住宅ローンの書類確認と捺印を行い、融資が実行されたのを確認したら、司法書士が法務局で抵当権や所有権などの登記手続を行います。

不動産登記が移転し、建物の引き渡し書、保証書、指定確認検査機関による建築確認の確認済証、完了検査の検査済証、家の鍵をもらったら、引き渡しは完了です。

また、住宅設備の保証書をもらうタイミングで、設備機器の使い方などについても依頼先担当者に詳しく聞いておきましょう。

引っ越し・入居

引っ越しの日が近付いたら、自治体への転居手続きや免許証の住所変更手続き、郵便物の転送手続きなどを行いましょう。クレジットカードや携帯などの住所変更もお忘れなく。

電気・水道・ガス・インターネット回線などのライフラインは、引っ越し当日までに使用できる状態になるよう、準備しておきたいもの。ガスの開栓は立会いが必要ですので、事前に日程の調整をしておくようにしましょう。

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注文住宅と建売住宅はどこが違う?どっちを選ぶべき?

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