2022.06.21
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注文住宅を検討する人が分譲住宅も見ておくといい理由

住宅展示場のモデルハウスはもちろんですが、世の中には皆さんが住宅取得、住まいづくりを検討するにあたって役立つ、見学すべき場所が数多く存在します。この記事では、その紹介に加え、注目すべきポイントについてもご紹介します。

 

なぜ「見学」が必要なのか

住宅というのは、他のモノやサービスとは異なる、とても特殊な商品(製品)です。厳密にいえば、同じ商品であっても完成した建物は同じものが1つもないからです。それは、戸建てであれ、分譲マンションのような共同住宅でも基本は同じです。
 

その理由として、施主のニーズ、敷地の状態、完成するまでに多くの人の手が加わることなどが挙げられます。例えば、敷地の状況では基礎部分。地盤補強の必要・不要で対策やコストが大きく変わります。
 

人の手とは主に設計者や工事関係者のことですが、彼らが有する技術や職業意識はそれぞれですので、同じ建物でも施工精度や品質に違いが生じるわけです。施主(建て主)のニーズについては、それこそ千差万別です。
 

中でも注文スタイルの住宅取得ではこの傾向が強まりますが、モデルハウスのような完成した建物の見学を通じて、特殊性の強い住宅について理解と経験を積み重ねることが、慎重な検討につながるのです。
 

さて、皆さんはマイカーの購入を検討する際、どうされるでしょうか。きっと、試乗車に乗って乗り心地や燃費性能などを確かめるはずです。しかし、住宅の場合、一部の例外を除いてお試しはありません。

一生に一度の高額な買い物とされるにも関わらずです。その理由は、住宅に「同じものが1つもないから」に他なりません。仮に「試住」できたとしても、皆さんが取得する住宅とは「似て非なるもの」なのです。
 

ですので、モデルハウスなどの見学を通じ、住み心地を確かめることともに、皆さんそれぞれの生活スタイルにあった間取りや動線、収納などのあり方、住宅建築の仕組み、資金のあり方、さらには省エネなどを含む最新の住まいの動向を確認しましょう。
 

モデルハウスに設置されていた展示物。各種見学会・イベントには遠慮せず積極的に参加してみよう


また、ハウスメーカーは彼らの住まいづくりについて皆さんにより理解を深めてもらえるよう、住宅展示場以外にも見学できる場所とイベントを設けているケースがありますので、以下でご紹介します。

 

リアル感が満載の「分譲住宅」見学

ハウスメーカーの中には、分譲戸建て住宅を供給している企業がありますが、この見学は皆さんにとって非常に参考になると思われます。というのも、大きくて豪華な住宅展示場のモデルハウスとは異なり、全てが現実的だからです。
 

分譲戸建てには明確な対象となる顧客像があり、仕様や価格もそれに合わせられています。ですので、現実的な建物になるのは当たり前のことですが、見学するべき重要な要素が2つあります。
 

1つ目は住まいづくりの全体像をイメージしやすくなること。元々、分譲戸建ては子育て世帯向けが多いのですが、その世帯に必要な間取りや動線などの仕様や設備などが、現実的な暮らしに合うよう設えられています。
 

近年は共働き世帯向けの仕様、省エネ性能などを強化した環境共生仕様、ペット共生の仕様、さらに最近ではコロナ禍を反映したステイホーム・在宅ワーク対応の仕様が登場しており、バラエティに富んでいます。
 

また、ハウスメーカーの中には都市型分譲住宅の供給に力を入れているケースがあります。街中の住まいは居住面積の確保などに制約が生まれやすいのが実情。ですので、収納の工夫なども含め、見どころが多いはずです。

 

ユニバーサルデザインに注目を!

2つ目はハウスメーカーの姿勢が如実に表れることです。分譲戸建て住宅といっても玉石混交(ぎょくせきこんこう)で、さまざまなタイプ、質のものが存在しますから、数多くの物件を見学することで、建物の善し悪しを判断する力を養うことができます。
 

注目していただきたいことの1つに「ユニバーサルデザイン」があります。これは誰にでも長く使いやすく安全なデザインのことで、代表的なものとして段差のない「バリアフリー」があげられます。

ただ、それにとどまらず階段やドアなどへの細部にわたる配慮も必要です。ちなみに階段の場合、傾斜が緩やかで踏み板が大きく、踊り場、握りやすい手すりがあれば、ユニバーサルデザイン的に優れたものと言えます。
 

ユニバーサルデザインが施された階段の事例。毎日、昇降するものだけにその安全性についてはしっかりと確認しておきたい

できることならハウスメーカー系、パワービルダー(分譲住宅の専門住宅会社)系など、複数の物件を見学することをお勧めします。そうすることで、設計やデザインの優劣が把握しやすくなると思われます。

 

ハウスメーカーの住まいづくりの姿勢を確認できる「施工現場」見学

モデルハウスや分譲戸建ては完成したものですので、それらがどのような素材や技術を用いて施工・建築されているのか、皆さんは見ることができないのが普通です。

そこでお勧めしたいのが、施工現場の見学です。ハウスメーカーなどがイベントとして実施しているほか、希望すれば近所の現場を見学させてくれるケースがありますので、積極的に足を運んでみましょう。
 

インターネットや雑誌による情報収集はもちろん、モデルハウス内に設けられている建築技術に関するコーナーでも、ある程度は理解できる部分もありますが、やはり実物を見るのが最も納得できると思われます。
 

住宅の施工には数多くの職種の人たちが携わることもありミスが発生しやすい。依頼先の選定にあたっては念のため施工現場の雰囲気を確認しておこう(写真はイメージ)


現場見学で特に注目したいのが、住宅会社の施工力。具体的には工事関係者の技術力、作業の質、モラルの有り様です。というのも、ハウスメーカーの中でも「腕の良い職人」を抱えることが難しくなっているからです。
 

それは、少子高齢化が影響しており、今後さらに深刻化すると見られています。住宅は「クレーム産業」と言われるくらい、施工などのミスが発生しやすい世界ですので、施工の様子には関心を持っていただきたいものです。
 

とは言っても、皆さんが現場に行ってもよく分からないと感じられるのが実情だと思われます。そこで確認したいのが、「整理整頓されているか」、「現場で働く人たちがしっかりと挨拶をしてくれるか」の2点です。
 

前者により現場にしっかりとした規律があるか、後者ではお客さんを大切にしているか、をなんとなくでも良いので把握できるはずです。施工現場はハウスメーカーの経営姿勢を映し出す鏡のようなもの。ぜひ、注目していただきたいと考えています。

 

“先輩”の経験談や意見にも触れられる「オーナー宅」見学

住宅取得には、先々のことも含めた不透明感がつきまとうもの。それをある程度解消してくれるのがオーナー宅見学です。築後1年、10年、30年などさまざまですが、オーナーに住まい心地などを確認できるからです。
 

例えば、「1年目の見学」では、その住宅を建築する際、どのようなことに悩み、工夫を施したのかオーナーに聞いてみると良いでしょう。皆さんと同じ子育て世代のオーナー、そして参加者もいるはずですので、非常に参考になるはずです。
 

築年数が経過した住宅のオーナーには、住み心地についてはもちろん、メンテナンス・アフターサービス、リフォームへの対応など建築後に関することなどを確認できます。実際に住んでいる人たちですから、とても説得力がある話を聞けるはずです。

 

アミューズメントのような体験ができる見学会も

最後に、プレハブ(工業化)系ハウスメーカーは部資材の工場を有していますが、その特徴を生かした「工場見学会」を行っています。そこでは、生産の様子はもちろんのこと、それぞれの独自技術について確認できます。
 

工場見学会の様子。この工場には、台風時の猛烈な風を体験できる設備も設けられていた


大規模な工場、さらにはそれに敷設する施設であり、見学のためのさまざまな設備や仕掛けも充実しています。住まいづくりの重要ポイントを把握しやすい上、アミューズメント施設のような楽しい雰囲気を味わえるはずです。
 

<代表的なプレハブ系ハウスメーカー>

この他に、独自の研究開発施設を公開するケースもあります。なお、前述した分譲戸建て住宅、施工現場、オーナー住宅などを含め、「バス見学会」などとして開催されているケースがあります。
 

基本的にはある程度、具体的な建築計画がある人たち向けですが、もちろん住宅取得の検討を始めたばかりの人でも参加できます。ですので、遠慮せずハウスメーカーの営業担当者などに問い合わせすると良いでしょう。
 

また、このような見学会、イベントを通じ、ハウスメーカーの営業担当者と付き合い、彼らの性格や人間性、自分たち家族との相性を把握し、最終的に依頼先を決める際の判断材料とすると良いかもしれません。
 

住宅は専門用語が数多くあり、技術用語なども同様です。こうした見学の場は、それらについて理解できる機会にもなりますし、それは「何となく」でも良いのだと思います。少なくとも、そうした機会を通じて、住宅取得に関する思い出づくりができます。
 

ただ単に住宅を取得するだけではなく、その過程を楽しむことができて良い思い出になれば、皆さんは手にした住まいにより一層高い満足を持つことができるに違いありません。
 

※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、各種見学会が中止されている場合もあります。各ハウスメーカーのサイトなどでご確認ください。

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