2021.11.09
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自分に合ったハウスメーカーの選び方・比較のポイント

人にはさまざまな個性がありますが、それぞれの個性を知ることで、信頼してつきあうことができます。それは企業、住宅事業者も同様です。

高額な買い物であり、家族の安心安全を守るものだからこそ、住宅事業者についてはよく理解しておきたいものです。そこで、この記事では「ハウスメーカー」がどんな人たちなのかについて解説します。

大きく3タイプに分かれる住宅事業者

住宅建築を担う人たちと事業者は日本全国津々浦々に数多く存在します。それは選択肢が非常に多いこと、皆さんが事業者を選ぶのは実はとても難しいことを意味します。

ただ、大きく「ハウス(住宅)メーカー」、「工務店」、「設計事務所(建築家)」に大別されますので、ここではまずそれぞれの違いについてご理解いただくことで、ハウスメーカーの特徴を理解していただければと思います。

ハウスメーカーとは

一般的に全国展開している、あるいはCMなどで知名度が高い「大手」住宅事業者のことを指します。資金力や組織力があるため、企画から施工、完成後のメンテナンスまで、信頼性が高いのが特徴です。

プレハブ(工業化)技術に優れた事業者など、住まいづくりをリードしてきた企業も存在します。また、二世帯や賃貸併用などを含む高度な住まいづくりにも定評があります。一方で、工務店などと比べ施工価格は比較的高額な傾向にあります。

分譲戸建てなどによる大規模な街づくり事業、賃貸住宅事業、分譲マンション事業、リフォーム事業といった注文住宅以外の事業のほか、住宅事業のノウハウを活かし商業施設や医院、高齢者施設などの建設実績があり、さらには海外へ進出している企業もあります。

なお、総合住宅展示場は基本的にハウスメーカーの営業拠点です。なお、ハウスメーカーという言葉は和製英語で、アメリカやイギリスなどの英語圏では、住宅事業者のことは主に「ホームビルダー」と称します。

大手ハウスメーカーの例

以下で代表的なハウスメーカーをいくつか挙げておきます。

  • アキュラホーム
  • 一条工務店
  • 住友林業
  • セキスイハイム(積水化学工業)
  • 積水ハウス
  • 大成建設ハウジング
  • 大和ハウス工業
  • トヨタホーム
  • パナソニック ホームズ
  • ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)
  • ミサワホーム
  • 三井ホーム
  • ヤマダホームズ etc.

工務店とはどう違うのか

少しだけハウスメーカー以外の事業者について触れておきます。工務店は各地域に存在するため、「地域ビルダー」などとも呼ばれています。気候風土など地域の実情に合わせた住まいづくりを行っているケースも多く、また地域出身の人が働いているため親しみやすい存在と言えます。

地域のゼネコン(総合建設業者)や不動産会社が工務店と称しているケースもある

工務店は住宅事業者としては最も多く、年間に供給する住宅の数も上記に上げた代表的なハウスメーカーよりも圧倒的に多いのが実情です。

資金や組織の面での信頼性では「ハウスメーカー」にはかないませんが、中には中堅クラスのハウスメーカーを上回る事業者も存在します。一芸(デザインなど)に優れた事業者が多いため、それぞれの強みを把握する必要があります。

なお、この他に「パワービルダー」と呼ばれる企業もあります。これは分譲戸建て住宅を主に供給する住宅会社のことを指し、工務店の中にもこれに分類される会社があります。

設計事務所とはどう違うのか

設計事務所(建築家)は一般的に、施主の詳細なニーズをくみ取り、それをかたちにするイメージで住まいづくりを行います。ハウスメーカーや工務店には工法(構造)上の制約があるのが普通ですが、建築家の場合はどれにでも対応します。

建築家も工務店関係者も1人ひとりで個性が様々。特に建築家については、得意なデザインや空間設計、施工現場によく足を運ぶ人か否かなどをチェックしてほしい

というのも、彼らの業務は大きく設計と工事の監理であり、工事そのものは工務店に依頼するからです。設計事務所の世界は、ハウスメーカーや工務店などと比べ、特有のキャラクターがあり、得意分野も異なります。

ハウスメーカーが供給する住宅は「商品」、設計事務所のそれは「作品」と表現されることがあります。作品ですから大変ユニークなものがある一方、住みやすさの上では難点のあるケースもありうるということです。

いずれにせよ、建築家との住まいづくりは、住宅展示場のようなハウスメーカー(一部工務店も含む)との出会い、建築実績を確認できる場が少ないため、建築・住まいづくりの見識をある程度持っている人ではないと難しい側面があります。

【関連記事】ハウスメーカー or 工務店 or 建築家 家を建てるならどっち?

 

ハウスメーカーの中でも違いがある

以下では、(大手)ハウスメーカーについてさらに詳しく解説します。一言でハウスメーカーといっても、それぞれが独自の個性を有していますので、依頼先を決めるまでしっかりとその内容を把握したいものです。

工法の違い

工務店にも言えることですが、例えば工法1つとってもさまざまです。木造(大きく木造軸組造とツーバイフォー造)、鉄骨造、コンクリート造の住まいを、それぞれが独自技術を組み合わせて供給しています。

1社で複数の工法(構造)を有しているケースがあります。例えば、積水ハウスは鉄骨系では軽量鉄骨造と重量鉄骨造、さらに木造も供給していますし、住友林業は木造軸組に加え、重量木骨造(ビッグフレーム構法)を有しています。

デザインや素材の違い

このほか、内外観デザインやそれを構成する素材も各社によってさまざまで、特に外壁素材については積水ハウスの「ダインコンクリート」、ヘーベルハウスの「ヘーベル版」のようなオリジナルのものを有している場合があります。

外壁素材の品質・性能などは外壁メーカーが責任を持つのが一般的だが、大手ハウスメーカーの中には独自に製造し、品質や性能を確認した上で供給している企業もある

得意とするエリアの違い

さらに、街中や郊外をはじめ、得意とするエリアもそれぞれで異なります。例えば、ヘーベルハウスは二世帯住宅の元祖ともいうべき存在で、常にこの分野を含む都市型住宅の世界をリードしてきた存在として知名度が高い企業です。

一方、郊外の街づくりについてはかつてほど大規模な開発は少なくなりましたが、ミサワホーム、パナソニックホームズなどが災害に強く、資産価値を維持することができるよう配慮された取り組みを行っているなどの事例が今でも存在します。

 

工場でつくるメリット

ハウスメーカーというと、プレハブ系の企業があるのが特徴です。その中にも鉄骨系と木造系があり、プレハブ系ハウスメーカーは工場で構造部材などを生産し、それを施工現場で組み上げる仕組みを取っています。

工場で生産するのは、高い品質を確保することが狙いの1つです。人が関わり作業ミスが発生する比率が高い施工現場での作業が少なくなるからですが、工場で行う作業の割合も企業によって異なります。

例えば、セキスイハイムやトヨタホームは「ユニット工法」という住まいづくりの仕組みを取り入れていますが、これは工場で建築のほとんどの工程を行うもの。このため、通常3ヵ月以上かかる着工から竣工までの期間を大幅に短縮できます。

 

ZEHや社会課題への取り組みにも注目

さて、近年注目度が高まっている住まいづくりのトピックスの1つに環境問題への対応があり、切り札と位置づけられているのがZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)です。その普及の先導役になっているのもハウスメーカーです。

また、空き家が社会問題化していますが、主要大手10社では独自の仕組みを作り、彼らがこれまでに供給してきた良質なストック(中古)住宅の流通に力を入れ始め、空き家問題の解決に努めようとしています。

もちろん、ハウスメーカーの中でさまざまな社会問題に対する取り組みに温度差があります。これからの住宅取得は上記のような問題と無関係ではいられませんので、気になるハウスメーカーがあったら取り組みの状況をチェックしてみてください。

 

自分に合うハウスメーカーを見つけるには

まずは、インターネットや雑誌などで情報を集め、漠然としていても構いませんから「こんなおうちに住みたい」というイメージをかたちづくり、次に住宅展示場のモデルハウスでイメージを具体化するのが良いでしょう。

【関連ページ】住宅展示場検索 | inTOWN(インタウン)

省エネなど住まいづくりで理解しづらい点を分かりやすく熱心に説明してくれるか否かも、「自分に合う人」を見つけるポイントになる

モデルハウス巡りにあたっては、それぞれのハウスメーカーの「人」に注目してください。満足度の高い住宅取得には、信頼できるパートナー、相性が合う人間との出会いが非常に重要だからです。

特に、注文住宅の場合は、一生に一度の高額な買い物であることに加え、家族構成や職業、年収、貯蓄、家族それぞれのライフスタイルや将来像といった、他の買い物とは比較にならないほど踏み込んだ個人情報を求められます。

ですので、商談相手は誰でも良いわけではなく、厳選したいものです。ただ、ハウスメーカーは規模が大きいだけに、数多くの従業員が在籍し、当然ながら皆さんが相談を持ちかける営業担当者も数多く存在します。

また、営業担当者も人間であり、皆さんそれぞれとの相性の合う、合わないは必ずあります。ですので、モデルハウスを巡ったりイベントに参加したりする中で「この人は!」という人物を見つけましょう。

もちろん、営業担当者の中にも経験やスキルの違いがそれぞれに当然存在します。皆さんが気づいていないニーズをくみ取り、指摘してくれて提案に盛り込んでくれる、そんな人物に出会え、パートナーにできるようだと、満足度の高い住まいづくりにより近づけるはずです。

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