2022.06.13
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住生活基本法【用語解説】

ポイント

  • 住宅政策の大元となる方針を示す
  • 量から質への転換の象徴
  • 方針実現のため法制度の整備が行われた

解説

「住生活基本法」は、2006年6月8日に「国民の豊かな住生活の実現」を図るため公布・施行された、日本の住宅政策の大元の方針を示した法律です。それまでその役割を担っていた「住宅建設計画法」が重視していたのが「量」の充足でしたが、住生活基本法のそれは「質」の向上。その施行は住宅政策の一大転換を意味します。

 

基本理念は以下の4つです。

 

  • 現在及び将来における国民の住生活の基盤となる良質な住宅の供給
  • 住民が誇りと愛着をもつことのできる良好な居住環境の形成
  • 民間活力、既存ストックを活用する市場の整備と消費者利権の保護
  • 低額所得者、高齢者、子育て家庭等の居住安定の確保

基本法はあくまで方向性を示すものであり、国民や住宅関連事業者への義務や強制を伴うものではありません。ただ、基本理念実現のための「住生活基本計画」の策定などを、国や自治体に義務付け、それに沿った施策を行うよう促しています。

 

住生活基本法の理念を実現するため、様々な法制度の整備が行われました。主なものは以下の通りです。

 

なお、基本計画は2011年度、2016年度に見直され、前者については「良質な住宅ストック(既存)住宅の形成」、「良好な居住環境の整備」、「住宅市場の環境整備」、「配慮対象者の居住の安定確保」が示されました。

 

このうち、「配慮対象者の居住の安定確保」の配慮対象者とは高齢者や低所得者などのことを指し、要は「セーフティネット」となり得る住宅の整備・確保が求められているということが、この一文に表れています。

 

例えば、高齢者にとって暮らしやすい設備やサービスがある住宅は、超高齢化社会の中でも少ないのが実情です。そこで、それらが整った「サービス付き高齢者住宅」などの供給が現在に至るまで活発化しています。

 

後者は2026年度までの計画で、「若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らすことができる住生活の実現」、「既存住宅の流通と空き家の利活用を促進し、住宅ストック活用型市場への転換を加速」、「住生活を支え、強い経済を実現する担い手としての住生活産業を活性化」が取り組まれています。

 

ちなみに、「住生活産業を活性化」とありますが、これはこの産業は裾野が広く多くの雇用と、それによる経済効果を生み出していることが反映されています。別に利益誘導をしているわけではありませんので念のため。

 

このほか近年、地球温暖化に伴い住宅の省エネルギー化が進められていますが、もちろんそれも住生活基本法にひも付けられる項目です。住生活基本法には現在あるべき住宅のトレンドが反省されていますので、一度しっかりと確認されてみてはいかがでしょうか。

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