2022.06.13
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瑕疵担保責任の義務化と瑕疵担保履行法【用語解説】

ポイント

  • 責任期間10年が義務化
  • 対象は主要構造部分と防水
  • 万が一の事業者倒産にも対応

解説

瑕疵担保責任とは、住宅事業者が供給した住宅に欠陥があった場合、事業者が補修などの責任を負うことです。2000年に施行した「住宅品質確保促進法(品確法)」の骨子となっており、この中で10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。

 

品確法以前の責任は概ね築後2年間となっていましたようです。しかし、住宅は他の商品(製品)より圧倒的に長く使用されるものですので、従来よりも長い10年間はしっかりと責任を果たすよう改められたわけです。

 

責任の範囲は以下の通りです。

 

  • 構造耐力上主要な部分
  • 雨水の侵入を防止する部分

構造躯体が設計図通りに施工されていないと、必要な構造強度がなく耐震性や耐久性の点で問題がある場合があります。また、雨水が建物内部に入ると、躯体を構成する木材などの劣化や腐食、カビの発生などによる住まい手の健康への悪影響などの原因になります。

 

念のためですが、例えばクロスの破損やドアが開きづらくなる、設備機器が壊れた、などといった事項については、瑕疵担保責任の対象とはなりません。これらは10年も住み続けていれば、破損や不具合は高い確率で発生するものだからです。

 

さて、10年といえばそれなりの期間。経済状況も変わりますし、住宅事業者、例えば地域の工務店などでは倒産してしまうケースもないわけではありません。そうなると、瑕疵があったことが分かっても、責任を果たしてもらえない消費者が出てしまいます。

 

そんなケースに対処するのが、2009年に施行された「住宅瑕疵担保履行法」です。これは住宅事業者が保険へ加入、あるいは銀行などに供託金(積立金)を収めることを義務化したものです。これにより、事業者が廃業しても消費者が補修費用をまかなえるようにしているわけです。

 

ちなみに、大手ハウスメーカーは供託金によりこの法律に対応しているケースがほとんどで、中小の住宅事業者はケースバイケースです。

 

品確法や瑕疵担保責任などが施行された頃は日本の住宅政策が量から質へと本格的に転換する時期にあたります。当時は、欠陥住宅が社会問題としてクローズアップされていたという時代でもありました。

 

このため「質」の高さをアピールすることが住宅事業者の中で至上課題となり、その結果、ハウスメーカーでは50年程度の長期メンテナンス制度を導入するといったことがみられるようになりました。

 

その中で、大手は瑕疵担保責任が発生する部分については、法律で定められている10年より長い20年保証(決められた点検・メンテナンスを実施した場合)を当初から実施。現在では素材の耐久性が高まったことなどを理由に60年のメンテナンス制度、30年保証にそれぞれ延長するケースも現れています。

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