2022.06.15
お気に入り

いろいろある屋根の形の種類と特徴&基礎知識

屋根の役割は、厳しい自然環境から住まいを守ること。また、同時にその形は外観のデザインにも大きく影響するものです。屋根の形には、いくつかの種類がありますが、ここでは、プランニングの前に知っておきたい形の種類と特徴をまとめました。
 

屋根の形状は敷地の条件や間取りに関係する

新築の際には、どんなデザインの外観にしようか、あれこれと悩む方も多いのではないでしょうか。外観のイメージを大きく左右するポイントのひとつが屋根。屋根は、雨や雪、直射日光などから住まいを守るのはもちろんですが、屋根の形状や用いる素材、色などは住まいの外観に大きく影響するものです。
 

住宅の屋根の形状には、「切妻」や「片流れ」など、いくつかの種類がありますが、デザイン性だけでなく、間取りはもちろん敷地の形状や条件などによって、その形状は決まってくるものです。高さや勾配(傾きの角度)は、建築基準法の隣地斜線制限や北側斜線制限なども関わってきます。プランニングには専門的な知識が必要なので、実際の家づくりの中では、設計担当者の提案から検討することになるでしょう。希望する形、あこがれのイメージがある場合は早めに担当者に伝えておくことも大切です。
 

 

主な屋根の形の種類

一般的な住宅に用いられる屋根の形には、「切妻」「寄棟」「方形」「片流れ」「陸屋根」などがあります。プランニングによっては「切妻」と「寄棟」、「片流れ」と「陸屋根」などといった、複数を組み合わせた屋根もみられます。
 

■切妻(きりづま)

2方向へ傾斜した逆V字型のシンプルな形状。和の住まいにも洋風のデザインにも取り入れられるスタイルです。勾配や屋根面の大きさ、左右のバランスなどによって雰囲気は大きく異なります。基本的に構造が単純なので、屋根材や雨どいなどの数量を抑えることでき、施工がしやすいのも特徴。メンテンナンスもしやすいでしょう。左右に流れがあるため雪や雨に強く、雨漏りの心配も少ないと言われています。
 


■寄棟(よせむね)

四方向に流れる屋根面を持ち、棟(ふたつの屋根面が交わるところ)のある形状の屋根。和洋どちらの外観でも馴染むデザインです。四方向に斜傾があるため耐風性に優れ、深い軒先を設けることで四方向すべての外壁を雨や日射しなどから保護することもできるでしょう。切妻などに比べると、棟部分が複雑なので、初期費用、メンテナンス費用がかかる場合もあります。
 


■方形(ほうぎょう)

四方向への傾斜を持ち、頂上部分がひとつ(点)となるピラミッドのような形状の屋根。寄棟と同様に、四方向に斜傾があるので耐風性に優れ、深い軒であれば外壁を雨や日射などから、ある程度保護することができるでしょう。太陽光発電システムの設置がしにくい場合もあります。
 


■片流れ(かたながれ)

一面だけが傾斜した屋根形状のこと。敷地条件が厳しい狭小住宅などにもみられるスタイルです。シンプルなプランなのでコストを抑えることもでき、メンテンナンスもしやすいでしょう。ひとつの面で雨を受けるため、雨どいや外壁など雨の対策は十分に検討することが大切です。
 

メリットとしては、高い位置の窓(ハイサイドライト)が設置しやすいこと、屋根裏スペースを確保しやすいこと、などが挙げられます。
 


■陸屋根(ろくやね・りくやね)

水平もしくは勾配が小さい屋根形状のこと。鉄筋コンクリート構造などでみられるデザインでしょう。屋上やルーフバルコニーなどを設けるプランもみられます。勾配がないため、排水計画や床の防水メンテナンスなどに配慮が必要です。
 

 

形や勾配は、工事費用や性能にも関係する

屋根のデザインは、住まいのイメージだけでなく、予算にも大きく影響するものです。選ぶ形状や勾配によって、用いる屋根材の数量はもちろん施工の難易度などに違いがあり、工事費用は大きく異なるので十分に検討することが大切です。プランや素材にもよりますが、一般的に、シンプルな形状の切妻屋根よりも、四方向へ傾斜する寄棟屋根の方が費用は高めに。また、軒の出が深く、急勾配で、屋根の重なりが多いとそれだけ費用がかかるでしょう。

雨漏りへのリスクという点では、複雑な屋根形状よりシンプルな形状の方が低いと言われています。屋根の形だけではなく軒先の長さなども含めて検討することが大切です。プランニングの際には、間取りとの兼ね合いはもちろん、費用面や雨漏りへの対策、メンテナンスなど、全体の優先順位を明確にしておくことも重要なポイントでしょう。

この記事をシェアする
知っておきたい外観デザインのポイント

この記事と同じカテゴリの記事・用語解説