2021.11.16
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注文住宅にかかる費用の相場を知るには

注文住宅を建てたいと考えたとき、真っ先に気になるのはやはり費用なのではないでしょうか。

自由度の高い注文住宅では、設備をどれだけ取り入れるか、素材・建材にどんなものを使うか、間取りやプランをどうするかなど、希望によってかかる費用は大きく変わってきます。

とはいえ、希望する家を実現するにはどれくらいの費用がかかるのか、おおよその目安や相場がわかっていると安心ですよね。この記事では、初めて家を建てる方へ向けて、注文住宅費用の平均や内訳、坪単価の仕組みをご紹介します。

 

注文住宅の平均相場を知る

まずは注文住宅の平均相場を見てみましょう。

「フラット35」を取り扱う住宅金融支援機構の2020年度調査によると、注文住宅建設費の全国平均は3,533.6万円。(住宅面積平均:124.4㎡)

土地付き注文住宅(土地を買って家を建てる)の場合は平均額が少し下がって2,961.2万円(住宅面積平均:111.1㎡)、土地取得費用の平均は1,436.1万円です。この場合は土地代もかかってくるため、建物にかける金額は少し控えめになる傾向です。

また、リクルート住まいカンパニーの『2020年 注文住宅動向・トレンド調査』では、「建築費用の全国平均2,879万円(土地代除く)」とあります。ふたつの調査で若干の価格差はありますが、おおよそ注文住宅の建築費(工事費)は、3,000万円〜3,500万円が平均のようです。

ちなみに上記の数値はすべて全国平均。

住宅金融支援機構の2020年度調査における三大都市圏での建築費相場が3,739.3万円であるのに対して、その他地域では3,355.9万円。400万円近くの開きがあることがわかります。

平均相場は地域によっても大きく異なるというわけです。

 

注文住宅の費用の内訳を知る

さて、ここまでざっくりと「建築費」という言葉を使ってきましたが、実は、その内訳はざっくり2つに分けられます。

ひとつめは、総費用の70〜80%を占める「本体工事費」
そしてもうひとつが、15〜20%を占める「付帯工事費(別途工事費)」
一般的に、この2つを合わせたものを「工事費(建築費)」と呼びます。

また、これらとは別に、5〜10%ほどの「諸費用」がかかってきます。
たとえば総費用が3,000万円の場合、その内訳は以下のようなイメージです。

(例)本体工事費2,100万円+付帯工事費600万円+諸費用300万円

本体工事費とは

総費用で一番大きな割合を占める「本体工事費」は、建物そのものの工事費です。

「建物そのもの」のみにかかる費用ですので、外構や土地を整える造成費などは含まれません。その含まれない部分の工事費は、次で説明する「付帯工事費」でまかなわれることとなります。

付帯工事費とは

家づくりでは、土地や外構、庭など建物本体の他にも工事が発生します。これらの工事にかかる費用を「付帯工事費」と呼びます。

例えば購入した土地の上に古屋がある場合は解体工事費がかかりますし、土地そのものに整地が必要だったり、地盤の補強が必要な場合は造成・地盤補強工事などが必要です。

また、ガス・水道などの配管工事、空調設備の導入、照明計画にかかる費用、カーポートや門・柵などの外構、庭を作るための工事費用も、付帯工事費に含まれます。

諸費用とは

本体工事費・付帯工事費以外で発生する、住宅ローン費用、税金、保険料などの費用をまとめて「諸費用」と呼びます。これらの費用は住宅ローンに含められないため、基本的には現金での準備が必要です。

主な諸費用を簡単に挙げてみましょう。

  • 引っ越し代
  • 家具家電の購入費用
  • 火災、地震、災害保険などの保険料
  • 住宅ローンが実行されるまでのつなぎ融資費用
  • 土地購入時の仲介手数料
  • 不動産取得税、固定資産税、登録免許税、印紙税、都市計画税などの税金
  • 住宅ローン関連費用(団体信用生命保険料、保証料、登記費用、事務手数料、司法書士報酬)など

諸費用は都度支払いが発生するため、どのタイミングでどれだけの支出があるのかを事前に把握しておくことをおすすめします。

 

坪単価とは?そのカラクリを知る

建物が大きくなればなるほど、つまり建物面積が広くなればなるほど、建築費用は高くなります。

そこで建物の価格を面積で割り、1坪あたりにいくら費用がかかっているかを表す値として表されるのが「坪単価」です。スーパーで売っているお肉が「100グラムあたり○○円」と表示されているのと同じようなものですね。

1坪は約3.3㎡。畳2枚分くらいの広さです。

坪単価は、「価格(万円)÷面積(㎡)×3.3」 で求められます。

仮に建物の工事費が2,000万円、建物面積が100㎡だった場合、

2000万円÷100㎡×3.3=66万円

坪単価は66万円となります。

 

坪単価の目安

坪単価の目安は、50万円〜100万円くらいと考えておくといいでしょう。

もちろん建築の内容や工事を手がける会社によっても異なりますが、以下がおおよそのイメージです。

  • 30〜40万円台:ローコスト住宅
  • 50万円台〜:工務店
  • 70万円台〜:ハウスメーカー
  • 80万円台〜:建築家、ハイグレードなハウスメーカー

坪単価は当てにならない?注意すべき点

しかし、坪単価を求めるための「価格」や「面積」については、それぞれがどの範囲までを指すのか、共通の決まりがありません。そのため、金額だけでは判断しきれない部分が多々あります。

価格=本体工事費

一般的に坪単価における「価格」とは本体工事費を指し、付帯工事費や諸費用は含まれないことに注意しましょう。

また、本体工事費の中にカーテンや照明、エアコン、床暖房などが含まれていることもあるため、価格だけで比較するのではなく、それぞれに何が含まれた上で算出された坪単価なのかを見極めることが重要です。

面積=延べ床面積 or 施工床面積

坪単価における面積が、どこまでを含んでいるのかにも注意が必要です。会社によって、「延べ床面積」か「施工床面積」かの違いがあります。

「延べ床面積」とは、建物の床面積の合計を表すものです。

一方、「施工面積」は延べ床面積に加えて、玄関ポーチやロフト、小屋裏収納、地下室、ベランダ、デッキなども含まれます。そのため、より広い範囲が含まれる「施工面積」を分母として計算した方が、坪単価は安く算出されるのです。

坪単価を算出する際の面積として「延べ床面積」「施工面積」のどちらを基準としているか、比較を行う際はしっかり確認してください。

 

1,000万円・2,000万円・3,000万円台でどこまでできる?

さて、ここまで注文住宅の費用相場平均はおおよそ3,000万円〜とお話ししてきましたが、工夫次第で費用を抑えることも可能です。

そこで、1,000万円〜3,000万円台の費用でどんなことができるのか、そしてそれぞれに対してどういったコストダウンの工夫があるのかについて、ご紹介したいと思います。

1,000万円の注文住宅

平均相場3,000万円に対しての1,000万円台ですので、かなりのコストダウンが必要です。この金額で注文住宅を建てるとなると、第一に考えるべきはいかに無駄を無くすかということ。

依頼先としてお勧めなのは、地域密着型の工務店やローコスト住宅が売りのメーカーでしょうか。ローコスト住宅プランを備えている会社は住宅設備や建材を一括で仕入れていることもあって、比較的費用を抑えやすい特徴があります。

また、床面積が増えるとその分工事費もアップしてしまうので、建物の形状や間取りはとにかくシンプルに。凸凹の無い長方形や正方形で、屋上のない片流れ屋根や切り妻屋根がコストを抑えやすくおすすめです。

設備などについても最低限に抑え、依頼先が調達しやすいものを採用するなどの工夫が必要です。

2,000万円の注文住宅

予算2,000万円の場合、少し特殊な形状の家屋への対応が可能だったり新しい設備を導入できたりと、実現できることの幅は広がります。ここで大切なのは、予算の配分を考えること。

1,000万円台よりもできることは増えますが、相場よりコストを抑えてつくる必要もあるため、設備にお金をかけるのか、間取りや家の形状を重視するのかなど、自身の優先したいことを明確にするのが何より重要になるのが、この価格帯かもしれません。

3,000万円の注文住宅

全国平均が3,000万円〜ですので、平均的な希望や要望を実現しやすい価格帯。

予算配分を考えなくてはならないのは2,000万円台と同じですが、設備や素材のグレードアップや、外観デザインの変更など、部分的にこだわりを発揮することもできそうです。変形地や傾斜地などの特殊な地形の土地であっても、3,000万円台〜であれば、ある程度対応可能でしょう。3,000万円台後半になると、床暖房やミストサウナなど、プラスアルファの設備導入も検討できます。

 

ここまで注文住宅の費用目安についてお話ししてきましたが、相場感を知ること以上に重要なのは、費用の内訳や、「なぜその価格なのか」を正しく理解することです。

建売住宅と違って、注文住宅は1からつくるもの。無理のない価格に抑える工夫はもちろん必要ですが、長く快適に暮らしていくためには、こだわるべきところ(お金をかけても良いところ)と、コストを抑えるべきところのメリハリをつけることが大事になってきます。あとあと後悔することの無いよう、自分自身の希望に向き合い、無理のない予算とプランを選択なさってください。

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