2022.06.16
お気に入り

住宅取得支援策の方向性と2022年度の支援制度について

皆さんが住宅を取得する際、国や自治体による様々な税制優遇・補助金制度を利用することができます。この記事では、こうした制度が用意されていることの背景について解説するとともに、2022年度における代表的な税制優遇・補助金制度を紹介します。

 

住宅政策は量より質を重視

住宅取得にあたっての税制優遇・補助金制度の位置づけは、以前とは大きく異なっています。以前のそれは住宅のそのものを取得しやすくする、つまり「量」を確保することが主な狙いでした。しかし、現代では「質」の追求がより重要視されています。

質というのは、例えば「居住面積が広く子育てがしやすい」、「省エネルギーに貢献する」、「バリアフリー化などにより長く安心・安全な暮らしができる」、「災害への備えが充実している」、といったことに対応する住宅であるということです。
 

これは、現代社会が少子高齢化し、住宅が量的に充足した時代になったことが反映されています。そうした経緯から、税制優遇・補助金制度は新築よりリフォーム・リノベーションといったストック(中古)住宅の活用の方がより充実した内容となっています。
 

市街地の様子。住宅は「量より質」の時代となっている


とは言え、新築住宅についてもしっかりと充実しています。ただ、上記のようなことから質の向上について、より積極的な対策を導入している住宅の方が、そうでないものよりも国や自治体の支援は充実しています。
 

以上が税制優遇・補助金制度の基本的な考え方で、つまりは国や自治体は上記のような方向性で住宅のあり方を誘導しているわけです。ここから、皆さんにしっかりと考えておいていただきたいことがあります。
 

税制優遇・補助金制度は公的資金であり、税金でまかなわれています。そうした性格上、住宅は個人資産であるとともに、公共的な資産という位置づけもあるわけです。ですので、上記のような制度の狙いを軽視することはできません。
 

何が言いたいかというと、住宅取得にあたって皆さんは「できるだけイニシャルコストを低くしたい」と考えるわけですが、国や公共の利益に役立つものという観点からすると、それが難しくなっているということです。
 

現代の住宅取得は、コストや皆さんのこだわりだけでなく、省エネルギー化やバリアフリー化、災害対策といったことも必ず念頭に入れながら検討を行うことが強く求められているわけです。
 

では、以下で国による代表的な税制優遇・補助金制度をご紹介します。

 

2022年度の住宅取得支援策

■住宅ローン減税

控除期間13年の特例措置が2025年まで延長されました。対象となる借入金額の上限は2022~2023年に入居する場合、長期優良住宅・低炭素住宅が5000万円、ZEH水準の住宅が4500万円、省エネ基準適合住宅が4000万円となっています。
 

なお、2024年~2025年までの入居ではそれぞれ1000万円減額されることとなっています。また、省エネルギー基準に適合しない「その他住宅」は2022年~2023年入居の場合、3000万円となっていますが、2024年~2025年入居の場合には住宅ローン減税は原則ゼロになるとされています。
 

国は太陽光発電を搭載した脱炭素型住宅の普及に努めている

■贈与税非課税

「住宅取得等資金贈与の特例」として、非課税限度額最大1000万円が2023年末まで延長されました。なお、1000万円は一定の耐震性・省エネ性・バリアフリー性のいずれかを有する住宅が対象で、それ以外は最大500万円となっています。
 

■こどもみらい住宅支援事業

子育て世帯、若者夫婦世帯を対象としたもの。ZEHレベルの住宅に対し100万円、高い省エネルギー性能を有する住宅に対し80万円、現行の省エネルギー基準に適合する住宅に60万円の補助金が支給されます。
 

以上から、住宅の質の向上、中でもゼロカーボン社会実現に向けた住宅のさらなる省エネルギー化の推進という国の思惑が確認できると思います。

この記事をシェアする
家族が自然に集まる「ストレートダイニング」のある住まい
住まいの検討ではバーチャルとリアルの使い分けに注意を