シンク、水栓、カウンターetc. いまどきのシステムキッチン選びのポイント
新築の際に、多くの方が取り入れるシステムキッチン。各メーカーからは、豊富な商品バリエーションが提案され、何をどう選んだらいいのか悩む方も多いでしょう。ここでは、システムキッチンの基本と知っておきたい選び方のポイントをまとめました。
システムキッチンとは?
システムキッチンとは、いくつかのフロアキャビネット(ユニット)を並べ、1枚のカウンタートップでつなげることで一体となっているキッチンのこと。メーカーや商品によって選択の自由度は異なりますが、いくつかのカウンタートップやシンクなどの各部材があらかじめ設定されていて、その中から選び組み合わせプランニングしていくものです。
各メーカーのシステムキッチンには、価格帯によっていくつかのシリーズ商品がラインナップされています。設計の自由度やデザイン性、機能性が高い機器を揃えた比較的高額な商品、一般的な普及タイプ、基本的な仕様の手ごろな価格帯などが用意されているので、予算に合わせて選ぶことが可能でしょう。
気をつけたいのは、同じシリーズでも、サイズやレイアウト、扉材やビルトイン機器などによってプランやデザインはもちろん、価格も大きく異なること。選ぶ際には、商品の基本仕様や設定されたアイテムを確認し、予算も含め希望するキッチンを実現できる商品かを見極めることが大切です。
システムキッチンのパーツやアイテムの特徴&最新傾向
システムキッチンは、多くのパーツやアイテムで構成されます。それぞれの特徴や最新傾向をみていきましょう。
キャビネット(ユニット)
システムキッチンのキャビネットには、加熱機器やシンクを組み込んだフロアキャビネット以外にも、食器や家電製品を収納する周辺キャビネット、カップボード、ウォールキャビネットなどが豊富に揃っています。ダイニングまでトータルにコーディネートできるタイプもあります。
扉材
キッチンのイメージを大きく左右するのがキャビネットの扉材。カラフルなカラーバリエーション、質感のある木目調、鏡面仕上げのタイプなど、各メーカー多彩な種類の扉を揃えています。最近の傾向は、シンプルでモダンな雰囲気。ナチュラルな風合いやグレイッシュな色合いも注目されています。デザインだけでなく、価格にも大きく影響するアイテムなので、十分に検討を。メーカーによっては、床材など内装建材とコーディネート可能なタイプもみられます。
カウンタートップ
主なカウンタートップの素材は、ステンレスと人工大理石、最近ではセラミックを揃えたメーカーもみられます。一般的に、ステンレスは耐久性や耐傷性などが高いのが特徴。人工大理石には、透明感があり衝撃性などに優れるアクリル系、アクリル系より比較的安価なポリエステル系があります。メーカーによっては、独自の特徴を持たせたタイプを揃えているケースもあります。色や風合いも多様になり、オープンなキッチンプランが主流の今、キッチン空間のデザインにも大きく影響するものです。
シンク
シンクの素材はカウンタートップと同様に、人工大理石とステンレスが多く設定されています。いずれも、シンクの形状や排水口の素材などに工夫を施し、掃除のしやすさを追求したタイプが多くみられます。人工大理石では、カラーバリエーションも揃い、カウンターとの組み合わせで多様なデザインが楽しめるでしょう。最近では、作業性を高めた多層構造のシンクなどもみられます。
加熱機器(ガスコンロ・IH)
加熱機器は、ガスコンロとIHクッキングヒーターが設定されており、それぞれ、標準的なタイプから高機能なタイプまで揃っています。いずれも機能性はもとより、清掃性やデザイン性が高められています。最近では、機能を高めたグリルが充実、上手に使いこなすことで調理の幅も広がるでしょう。
換気扇
換気扇も他のアイテムと同様に、機能性だけでなく清掃性が高まっています。自動で清掃可能なタイプ、長期間お手入れが不要な製品なども。また、対面キッチンやアイランドキッチンのプランが多くみられる中、デザイン性を高めたタイプも増えてきています。
水栓金具
システムキッチンに設定される一般的な水栓金具は、シングルレバーハンドルタイプ。最近では、引き出し式のシャワータイプ、触れるだけで吐水止水できるタイプやセンサーで作動するもの、浄水器一体型など、機能性を高めたタイプも増えてきています。空間のポイントにもなるようなデザイン性の高い輸入品などもみられます。
食器洗浄乾燥機
ビルトイン食器洗浄乾燥機も一般的となり、システムキッチンの標準仕様となっているケースもみられます。標準的なタイプだけでなく、機能性を高めたタイプ、キッチンキャビネットに溶け込むようなデザイン性の高いタイプなどもラインナップされています。
システムキッチンの最新傾向
最近のシステムキッチンの全体の傾向としては、まず、お手入れがしやすいこと。汚れにくく、掃除が楽なアイテムが揃っています。たとえば、掃除の回数が少なくてすむ換気扇、素材や形状の工夫によってお手入れが簡単な排水口やガスコンロ、カウンターやキャビネットなども掃除が楽になる工夫が多くみられます。
また、キャビネットの充実した収納も魅力です。フロアキャビネットの引き出し式収納は、奥の物まで取り出しやすくしまいやすいですし、調理器具やカトラリーに合わせた細かなパーツも豊富に揃っています。
その他、高いデザイン性もポイントのひとつ。特に最近では、LDKをひとつの空間とする間取りが増え、システムキッチンはくつろぎの場であるリビングやダイニングに調和するデザインが求められています。キッチン扉やカウンタートップ、換気扇などデザイン性を高めたタイプが多くみられます。メーカーによっては、床材や室内扉、水まわり機器とトータルコーディネートを提案するところもあります。
LDK空間全体で検討。ショールームやモデルハウスで確認を
システムキッチンを検討する際には、ショールームで実際の商品を確認することが大切です。家づくりを進めている方の多くは複数のメーカーに、複数回訪れています。実際の色味や素材感はもちろん、操作できるアイテムは、実際に動かしてチェックすることがポイント。メーカー独自の機能や性能など、ショールームアドバイザーに積極的に質問し確認するようにしましょう。
また、モデルハウスでは、ダイニングやリビングとのつながり、家具やインテリアとのコーディネートを参考にしたいもの。VRモデルハウスでは、PCやスマホでVR空間を歩くように確認することが可能です。好みのモデルハウスのキッチンを自宅でチェックしプランニングの参考にしてみてはいかがでしょうか。