2022.06.21
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「木」という素材のすばらしさ

「木」は住まいには欠かせない素材です。構造体に鉄やコンクリートを使用する住宅でも、内装材などとして欠かせないからです。最近は環境面での優位性も注目されています。この記事で「住まいにおける木」について確認しましょう。

 

今や「木」にはデメリットがない

建築物の建材として「木」を用いることは、世界中で昔から行われてきたことです。というのも、加工が他の素材より容易ということが非常に大きいことだと考えられます。そして何より、自然由来の再生可能な素材であることがとても重要な要素だったと考えられます。

特に私たち日本人にとっては、国内に世界最古の木造建築物「法隆寺」があることなど、大変親しみがある素材です。そうしたことから、日本の住宅の多くが木造住宅であり続け、今もそれは変わりません。
 

日本には築数百年という住宅も数多く残されている。画像は福島県大内宿の様子


ただ、昔から活用されてきた素材だけに、「他の素材に比べて劣っている点があるのでは」と考えてしまいがちです。そこで、住宅に使われる建材として、木にどのような特徴があるのか確認しておきます。
 

■メリット

  • 再生可能な資源であること
  • 断熱性能が高い

■デメリット

  • 特になし

ここで「あれ?」と感じた方がいると思われます。というのも、類似する他の記事などではそれぞれにもっと多くを記しているからです。とくにデメリットについてはそう感じるはずです
 

ですが、筆者が考えるメリット・デメリットは微妙なのです。つまり、皆さんが素材としての特徴として知っておくべきことは上記に集約されるということなのです。では、具体的にどのようになっているのか、以下で詳しく解説します。
 

今、環境問題がかつてないほどクローズアップされています。そこで重視されるのが、メリットとしてあげた「自然素材・再生可能」です。植樹→伐採→植樹→伐採と、しっかり管理された山や森では、その環境が大きく変わることはありません。
 

つまり、環境に優しいわけです。現在、住宅業界ではこの点が大変重視されていますが、どれくらい重要視されているかというと、これまで鉄骨系住宅を供給していたハウスメーカーが、木造住宅を強化しているくらいです。
 

木は再生可能な素材。画像は、かつては禿げ山になっていた別子銅山(愛媛県新居浜市)があった山の森林が再生された様子


高い断熱性能もこれと同じ観点。木は鉄やコンクリートに比べ熱を伝えにくい素材です。ですので、あくまで基本的な断熱性能についてですが、他の素材より断熱性能が高い住宅となるという理屈です。
 

あえてあげるなら「精度」に課題

一方、「特になし」としたデメリットについて、あえてあげるとすると「精度の問題」があります。木は自然素材ですから、乾燥すると反ったり曲がったり縮んだりします。樹種が違えば当然それらは変わりますし、違えばなおさらその違いは大きくなります。
 

つまり、本来はとても扱いにくい素材なわけです。古民家などを見学すると、柱や梁が一定でないことに気付くはずですが、それは木が持つそうした性質を先人たちがうまくコントロールしていたからです。
 

「本来は」と表現したのには理由があります。現在では、建築基準法を代表とする建築ルールがある時代。ですので、木材には一定の品質が求められます。現代の住宅は工業製品と言えるので当然です。
 

集成材のイメージ。数枚の木材が集まり接着されている


現在は、乾燥技術の発展と、集成材という木を集めて強度を高めた木材が木造住宅の素材として一般化したことで、精度の問題は特に心配する必要はなくなったと言って良さそうです。
 

この他、メリット・デメリットは色々あるのですが、例えばデメリットとしてあげられる「火災や地震に弱い」などといったことも、新たな技術の導入でずいぶん改善されてきました。
 

ですので、特殊な場合を除き、他の素材を使った住宅との比較は必要ないと、筆者は考えています。建築コストや工期についても同様です。現在は、木造ビルが現実のものとなりつつある時代。木という素材はそれくらい世の中に期待されているわけです。
 

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